さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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"きょうだい"だからね。



大切なんだ

かけられた声に振り返れば仲のよい"きょうだい"たちがいた。

普段は各々の母方の家で過ごしているけれど、こうして会う時はとても親しくしている"きょうだい"。

 

「お元気ですか?」

「うん」

「また一緒に走りましょう!」

「スタミナ配分を考えてやるならね」

「…」

「うん、日にちが会えばお邪魔させてもらおうかな」

 

上からメジロシルフィード、サクラスタンピード、プライドシンボリ。

その誰もが僕にとって、大切な"きょうだい"だ。

ほわほわしているシルフィーに、いつも元気なスタン、無口だけどよく気が利くプライド。

この三人は昔から僕と一緒に遊んだり、勉強を一緒にしたりと……今もこうして変わらず接してくれるから本当にありがたい存在だったりする。

 

「そういえば最近どうです? ちゃんとご飯食べてますか?」

「はい、ちゃんと三食食べてます」

「…また今度何か作ってくれないか」

「もちろん」

「ほら、身なりも」

「あ、ごめんなさい」

 

髪や襟を正されたり。

そんなことをされながら僕は苦笑するしかない。

だって仕方ないじゃないか……こっちに来てからずっとこんな感じなんだもの。

学園内で会うたび会うたびに世話を焼かれる。

……まぁそれが嫌ってわけじゃないんだけどさ。

ただちょっと恥ずかしいというだけで……。

 

「なんか…僕のことをすごく構いますよね、みんな」

 

照れ隠しにそう言ってみれば、全員がキョトンとした顔でこちらを見つめてくる。

えっ、何その顔。

 

「それはもう、 私たちにとっては大事な"きょうだい"ですし」

「そうですよ!プレアーは何かと心配ですから!!」

「…俺たちが、守らないといけない」

「えぇ…」

 

妙に気合いをいれた感じで言われても。

守らないと、って言われるほど危険なことは誓ってやってないし、そんな危ない友だちもいないのに。

 

「放っておいたら…勝手にどこか行ってしまいそうで…」

「……」

「だから私たちはあなたを守らないといけないのです!」

「そっかー」

「そうなんです!」

 

力強く言い切ったシルフィーに思わず笑いそうになるけど、何とか堪えた。

でも確かに、このウマたちは僕のことを放っておかないだろう。

なんせ彼らは、とても優しいのだから。

 

 

彼らにとって"きょうだい"のひとりであるシルバープレアーは危うい存在であった。

何がどう、とは説明できないがふとした時の()()()

それを感じ取った時、必ずシルバープレアーはひとりでいる。

まるで自分の存在を消すかのように。

そしてそのまま消えてしまうのではないかと思うくらいに希薄になって。

いつの間にか戻ってきて。

それを何度も見てきたからこそ、自分たちはシルバープレアーを守ろうと思った。

自分たちがシルバープレアーの存在を繋ぎ止めるアンカー()になろうと。

 

「ねぇ、プレアー」





フツーにきょうだい関係はいいんだ。

【銀の祈り】:
シルバープレアー。きょうだい大好き!
本バに自覚はないがどうにも言語化できない危うさがあるらしい。
でも本バ自身は楽観的なのでニコニコふわふわしているばかり。
なので今日も今日とて世話を焼かれている。

"きょうだい":
サクラスタンピード、プライドシンボリ、メジロシルフィードの有名冠名三バ組。
三バとも母方が母方なので中々会うことはないが【銀の祈り】と父親が同じ縁もあり、会うたびに【銀の祈り】のことを気にかけている。
また"きょうだい"であるが故に【銀の祈り】の危うさを何となく察していたり…?
まぁ、その危うさは【銀の祈り】特有のものなのか、はたまた血から来たものなのかは…ね?
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