遥かは彼方。
近いのは夢か?
それとも、
───それは、
(※嘘です)
チーム:アルファルドのトレーナーである
「…おじさん、入りますよ」
彼方の言葉に、返答はない。
彼方もそれに慣れているようでカラリと引き戸を引く。
部屋の中を覗くと、そこには一心不乱にガリガリと原稿用紙に文字を書き連ねる初老の男の姿があった。
それはあまりにも鬼気迫っている様相ではあったが彼方は気にせず部屋のそこかしこに散らばった原稿用紙の成れの果てを拾って。
「…ダメだ」
また。
ブチリと無慈悲に千切られた紙が宙に舞う。
*
部屋の主であり、彼方の叔父、またはチーム:アルファルドの統括トレーナーである内海
いや、前兆はたしかにあったのだ。
それに、誰もが手出し出来なかっただけで。
そんな
夢近がおかしくなってから、耐えきれないとチームを離れていくトレーナーが多い中で。
彼方だけがそっと、夢近の傍にいた。
何故なら、おかしくなったとしても、いや、おかしくなったからこそ…夢近はトレーナーとして『理想』に至ったのだから。
渡されたデータを見ただけで、そのウマ娘が勝てるトレーニングを割り出す洞察力。
そしてそれを実践出来るだけの確固とした信頼。
それらを全て活かして指示を出すその姿はまさに天才と呼ぶに相応しいものだった。
がしかし。
チーム:アルファルドは衰退を迎えている。
このチームに入れば必ず勝てる、とされながらも。
誰もが定着しない。
希望をもって入ってきたウマ娘たちも、トレーナーも。
いつしか絶望の面持ちで去っていく。
『ごめんなさい』
『自分は
そう言って。
突きつけられる才覚の差に心を折られながら去っていく者ばかり。
だがそれでも、彼方が辞めなかった理由はただひとつだけ。
……それが自分の夢でもあったからだ。
誰よりも強く、速く走る彼女たちを導きたい。
そんな願いを持って、彼方はここにいる。
叔父の代理として、たったひとりでアルファルドに関する業務を回すことになっても、変わらず。
そうして。
代わり映えのない生活が続いたある日。
「お久しぶりです、彼方サブトレ…いや、今は彼方トレーナーさんでしたね。貴方に任せたい
アルファルドのOGであるシロガネミコトから紹介されたウマ娘-シルバープレアーと、
「こ、ここが、チーム:アルファルドで合ってますか!?!?」
おかしくなる前の夢近が書いたという推薦状を持って現れた
いっぱい匂わせ系コミカライズ。
チーム:アルファルド→アラビア語で「孤独なもの」という意味の恒星の名より。
チーム:アルファルド唯一のトレーナー。
ある日を境におかしくなってしまった、叔父であり、チームの統括トレーナーである
その溢れ出る才覚から「そんなチームにいるよりも…」と、時折引抜きがかかるがその度に断っているらしい。
トレーナーとしては、担当バと必要最低限しか関わらない無味乾燥な接し方をするがその理由には過去、
チーム:アルファルドの
幼き日に偶然出会った内海夢近にチーム:アルファルドへの推薦状を書いてもらったことから、その縁でアルファルドのチームルームへ突撃を仕掛けた。
夢近のことをとても尊敬しているがまだ現状を知らない。
トレーナーとしては、担当バと共に二人三脚するタイプ。
なので無味乾燥とした接し方をする彼方と言い争ったりすることも…?
シルバープレアー:
アルファルドのOGであるシロガネミコト(元ネタは【銀色の運命】)からの推薦を受け、アルファルドに所属することになった"あるウマ娘"に憧れる芦毛のウマ娘。
穏やかで大人しい性格だが、ひとたびレースとなればアルファルドに縁深い"あるウマ娘"を彷彿とさせる眼や走りをする。が、その走り方には負荷があり過ぎ…?
実はひっそりとライバル視しているクラスメイトがいたりする。
彼女本バが語るに、そのクラスメイトは「三冠バの器」とのこと。
チーム:アルファルドの統括トレーナー。
アルファルドを押しも押されぬチームへと押し上げた男ではあるが、それと同じようにアルファルドを廃れさせた原因でもある。
己が見出した"あるウマ娘"を不慮の事故によって亡くした結果、おかしくなった。
だがおかしくなったが故に…か、トレーナーとしての技量は彼を知る数多くのトレーナーたちをもってして、その手腕は『神憑り』と称されている。
普段はひとり暮らしの家で原稿用紙に『ナニカ』を書き殴っているようだが、その内容を理解できるのは甥である彼方だけの模様。