さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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思春期特有の劣等感やら何やらであれやこれやぐちゃぐちゃ…。

【追記】
誤字報告ありがとうございます。


月代(つきしろ)青星(あおぼし)

バレットシンボリとプライドシンボリは叔父と甥という関係ながら歳が近いのもあって、まぁまぁの親交を深めながら育ってきた。

 

父がかの【皇帝】である直系のバレットシンボリと母父が【世界への挑戦者】であり、父が外のウマであるプライドシンボリは同じ家で暮らしながらも多少の身分差はあったがそれでも仲良く暮らしていた。

 

それが隔絶するようになったのは、バレットシンボリがトレセン学園に入学した以後。

朝日杯FSを制し、「父のように」と期待をかけられながらもクラシック三冠のどれにも指すらかけられないまま、自らの父と同じく無敗の三冠バとなった同期を見やるしかなかった時から。

 

「……」

「……」

 

その日から、ふたりの仲は急速に冷えていったのだ。

そしてそれは今も続いている。

いや、むしろ悪化していると言っていいだろう。

今だってそうだ。

顔色のいい日がないバレットシンボリを心配しながらも過去に「大丈夫だから!」と手を振り払われて何もできなかったあの時を思い出したのか、プライドシンボリは声をかけることすらできずにただ立ち尽くしていた。

そんなプライドシンボリを横目で見やりながら、バレットシンボリは無言のまま自分の部屋へと入っていく。

 

「……あーもう!なんなんだよあいつ!!」

 

扉が完全に閉めきってから枕に顔を埋めて叫ぶ。

もちろんバレットシンボリだって、かつてのようにプライドシンボリと仲良くしたい。

だがこんな自分とは違い、メキメキと頭角を現し始めたプライドシンボリを見るたびに煮えたぎるような嫉妬に苛まれて仕方がなくなり…。

「僕をそんな目で見るな!」と叫びたくなって。

 

『シロ…?』

 

でも。

あの日の、心配そうに自分を呼んでは手を振り払われて愕然とした表情を浮かべていたあの子の姿が脳裏に浮かび上がり、それを振り払うように頭を振った。

 

(違うんだプライド)

 

本当はキミと一緒にいたかった。

けれど周りからかけられる期待に、涼しい顔で応えているキミを見ると自分が無様で、哀れで、嫌いになり。

…キミも、僕と同じならよかった。

他人の期待が怖くて、苦しくて、辛くて。

それなら。

 

「ふたりいっしょに、いれたのにね」

 

 

お互いに大人しい子どもであった。

月代(つきしろ)』と呼ばれていたあなたと『青星(あおぼし)』と呼ばれていた自分。

あの頃は走るという行為に何も介在はなかった。

ただ自分の走りたいように走れば、それだけで楽しかったのに。

 

「…いつから、こうなったんだろうな」

 

今日も声は、届かない。





【一等星よりいずる誇り】:
プライドシンボリ。
父シルバーチャンプ母父シリウスシンボリ。
幼名は『青星(あおぼし)』。
【シンボリの弾丸】とはある時まで仲がよかった。
今でも関係修復をしたいと願っているがまぁ無理だろうな…という諦めもある。ので、関係修復できないなりに支えられるようになりたいと思っているらしい。
また【シンボリの弾丸】の第1号ファンでもあったりする。

【シンボリの弾丸】:
バレットシンボリ。
父シンボリルドルフ母シルバフォーチュン。
幼名は『月代(つきしろ)』。
【一等星よりいずる誇り】とはある時まで仲がよかった。
元のような関係に戻りたいと思ってはいるが【一等星よりいずる誇り】と顔を合わせるたびに劣等感やら嫉妬がメラメラしてキツく当たってしまう。そして自己嫌悪。
ちなそんな関係を築きながらも【一等星よりいずる誇り】のことを第1号ファンとして熱心に応援していたりもする。…めんどくせ〜。
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