さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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だいぶ騎手因子がついてる娘主人公とトレーナーさん。
インタビュー受けてる時の主人公はシングレのtmみたいな覇気出してる。

【追記】
誤字報告ありがとうございます。訂正しました。


◆ジャパンカップにて

ジャパンカップに出ると宣言した。

だがネットを見てみると『枠潰し』などと書かれている。

それに無意識で唇を噛み切ってしまっていた。

 

(…これが、僕の勝負服)

 

鏡の前にいる自分。

今までG1レースを見ながら、僕が勝負服を作るのならただ走りやすいものにしたいと思っていた。

スカートよりはズボンがいい。ヒラヒラしたのは好かない。

火傷跡を隠すためにゴーグルと勝負服の色に合わせたスポーツキャップ。

ほぼ黒色で、胴に白色の一本輪、袖には黄色の二本輪。

そんな勝負服。

 

(まぶしい…)

 

今日、いる場所は記者会見。

僕と同じようにジャパンカップに出るウマ娘が集まっている。

 

「…負けるために出るウマ娘がいるわけないでしょう?」

 

長いキャリアの割にG1初出走の僕にはそれなりに注目があるようで、さまざまな質問がかけられた。

その中でかけられた質問にカチンときた。

 

「私は、ミスターシービーやシンボリルドルフと戦いたかった。

私と対等に戦えるくらいのウマ娘だったから。

しかしそれは、もう無理な話です。

だから私はジャパンカップに出てきました。

私を楽しませてくれるウマ娘がいるはずのジャパンカップに」

 

うっすらと笑みが口元に浮かぶ。

 

「私に競り合えるぐらいのウマ娘がいることを、願っています」

 

*

 

「ごめんなさい、先生…」

 

何であんなに苛立ってしまったのか、自分でも分からない。

先生にも迷惑をかけてしまっただろうと落ち込んでいると頭を撫でられる。

 

「大丈夫だ、バレット」

「せんせぇ…」

「キミがあぁ言わなかったら僕が後であの質問をした記者を闇討ちしてた」

「!?」

「キミは誰よりも強いんだ。…誰が『枠潰し』だ、クソが」

「!?!?」

 

ブツブツと呟きながら目が座っている先生に困惑する、と同時に吹き出してしまう。

どうやら、僕らは似たもの同士らしい。

 

*

 

そして、

 

「もっと走ってたかったなぁ」

 

走り終えて、上を見上げると自分でも訳の分からないレコードを出していた。

聞こえてくる歓声は爆発しているみたいで、心臓はバクバクといって止まらないまま。

掲示板を眺め続けていると感涙に咽び泣く先生が僕の元へやって来た。

そして、僕のことを肩車し始めたので「腰痛めますよ!?」と慌てて言えば「今、そんなこと言ってられるか!」と一喝された。

 

歓声はいつしか、僕らの名前を呼ぶものに変わった。

そのあと、ミスターや家族から「おめでとう」というメールが入っているのに返信を返している僕は知る由もなかった。

 

まさか、規則を変えてしまうことになるなんて…。




僕:G1初制覇を果たした。
同期も周りもみんな既にドリームトロフィーリーグに行っており、今回のレース結果から「はよこっち来い」のメールが大量に届くことになる。
彼女自身もそうしようとしていたが…?
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