この血統、結構凱旋門賞出走してたりすんだよな…。
1. 1995年
シルバーチャンプ 牡 芦毛 オグリキャップ
3. 1997年
メジロアクター 牡 芦毛 メジロマックイーン
5. 1999年
シェイクザシャドー 牡 黒鹿毛 ナリタブライアン
6. 2000年
ヒーロシアトリカル 牡 黒鹿毛 ミスターシービー
取り敢えず【シンボリの弾丸】が出走するまでに出てるのはこの4人っすね。
あいつが、プライドシンボリが負けた。
はじめての海外遠征でも調子を崩すなんてないままに連勝街道を進んでいたあいつが。
誰も寄せ付けず走っていた姿が。
プライドシンボリをライバルと公言するウマに命からがらに差された瞬間に。
ずるりと。
まだ後方にいた出走者やこのレースを見やっている誰もの動揺が目に見えるほどに位置を下げた。
「なんであんなことしたんだ!?」
そうして。
やっとこさ日本に帰ってきたプライドシンボリに僕がかけた言葉は心配と"あること"が綯い交ぜになった怒りだった。
だって。
僕は誰よりも知っているのだ。
プライドシンボリというウマが誰よりも強いことを。
だから、こんな負け方をするはずないのに。
「……すまない」
結局。
プライドシンボリはその年で大事をとった引退となった。
あの凱旋門賞のあと、余裕の圧勝で香港ヴァーズを勝利して「来年も!」と期待されていたのだが。
「トレーナーいわく、『元も子もないことにならないように』…だと」
仕方ない、と頷く姿に口を閉ざせば「そう言えば」と。
「…シロ」
「なに」
「凱旋門賞に、行くんだったな」
「……そう、その、つもりだけど」
まさかお前もみんなのように、あの【英雄】のことを言うのかと睨みつければ告げられた言葉は予想外のもので。
「───────」
*
ゴールドカップ、ムーラン・ド・ロンシャン賞と勝ち、【英雄】と合流して挑んだ凱旋門賞。
"シンボリ"という冠名で期待をかける人もいるのだろうか、思った以上に僕の人気は高く。
開いたゲートからいつものように駆け出せば。
(───は、)
するりと、遠くに『影』が見えた。
あんな小柄なウマ、出走者の中に居なかったぞと混乱しながらも思い返すのはプライドを含めた凱旋門賞に出走した血縁から告げられた言葉。
『行けば分かる』
(嗚呼……いま
小柄な『影』が必死に走る僕に向けて、手本を見せるように走る。
そう、思ってしまった時からバレットシンボリの目に入るのはその『影』だけになり…。
(足の着き方、体の上下、体勢の変化…)
なぞるように、見様見真似。
ただひたすらに走りながら観察していれば。
「……ッ!?」
ふわりとした感覚と共に、『ナニカ』が体の中に
途端、キラキラと輝いてたまらない視界にゾッと怖気が走る。
凄まじい高揚感と恐怖心が入り混じる中、気づけば後ろから数えた方が早い順位でゴール板を走り抜けていた。
……そして、その日を境に。
バレットシンボリのレーススタイルが変わった。
それはもう、ガラリと変わった。
それまで正に王道というかのような余裕の先行策が、その日から『ナニカ』に追い縋るような逃げに変わったのだ。
『見事見事、後続を押し切って天皇賞・秋を制しました!バレットシンボリですッ!!』
視えて、教えられた。
【シンボリの弾丸】:
バレットシンボリ。
憧れながらも自らの抱える劣等感の根源に逢ったかと思えば、名の縁から入り込まれそれまでの走りを根本から矯正されてしまった。
たぶん根源的には善意。『こっちのが走りやすいよ〜』的な。
その結果、矯正された走りで勝利を飾っていくようになるも根源が入ったあの時の、圧倒の走りが何度やっても出来ず再現しようとするたびに情緒がぐちゃるように…。
根源:
いるよ。
何か走りがあってない子がいたので教示してあげた。
でも、その教示した子に合わせての出力なので…にっこり。