さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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知らぬ間に距離詰められてそう…。



夜半に睡

シルバーバレットはめっぽう酔いやすい。

この事実も今では誰もが知っていることではあるが、シルバーバレットが飲める年齢となった当初はそれはそれは…。

 

「そう言えばもう大丈夫なんだっけ?」

「うん」

「そっか!なら試しにコレとかどう?すっごい弱いヤツだし」

「そうなんだ」

 

先に誕生日であった友人のミスターシービーに勧められて、食材の買い出しついでに買ったお酒をさっそくその日の食卓にて飲んだのだが。

 

「…シルバー?」

「ふにゃ、」

「…………」

 

グラス四分の一で顔を真っ赤にして目をトロンとさせては横で飲んでいたミスターシービーに抱き着き…。

スリスリと擦り寄って、心臓の音が聞こえる位置に陣取るとスヨスヨと眠り始めたのだ。

まるで母の腕に抱かれた赤子のように。

警戒心のひと欠片もなく、安心しきった顔で眠って。

 

「わぁ…」

 

思わず顔を片手で覆って、深呼吸して深く息を吐くミスターシービー。

その耳や尻尾はへにょ…となり、頬には朱色が差している。

 

(…何だかな)

 

とはいえ。

それからというものの、ミスターシービーはシルバーバレットが泊まりに来るたびに何本かのお酒を買ってきて一緒に飲むようになった。

もちろん度の強いものは与えなかったのだが、何度様子を見てもシルバーバレットが一缶丸々飲みきったことはなく。

大概が缶の四分の一程度飲んではスヨスヨと眠って。

そんな時はベッドまで運んであげていた。

そして、今日もまた。

 

「スヤスヤだねぇ…」

 

自身に抱きつき、鼓動の音を聞いて眠る友人にミスターシービーは目を細める。

もう慣れたものだ。

最初は驚いたものだが、今となってはこの光景にもすっかり見慣れてしまった。

いつも通り抱き寄せ、そばに用意していた毛布をかけて。

するとすぐに寝言なのか、むにゅむにゅ言いながら服を掴む手に力がこもり、より密着してくる。

 

「んー……」

「よしよーし……」

 

頭を撫でると気持ち良さげな声を出すシルバーバレットだが、起きる気配はない。

そのまましばらく撫でていると、やがて規則正しい寝息を立てて再び夢の中へと戻っていった。

それを確認してから、ミスターシービーはまたテーブルの上に残るグラスに口をつけるのだった。

 

 

「…ごめんね、また」

「いや、いいよいいよ」

 

寝起きスッキリで朝から見慣れたエプロンを着けて朝食を作るシルバーバレットの背に垂れ掛かりながらミスターシービーは味見の卵焼きをもらう。

ちなみに今日の朝食は白米・味噌汁・焼き鮭・ほうれん草の御浸しといった純和風である。

 

「美味しい」

「ほんと?」

「うん」

「良かった!」

 

嬉しげに笑う友人につられて笑みを浮かべるミスターシービー。

 

(…あぁ、幸せ……)





僕:
シルバーバレット。
お酒に弱いタイプ。
でも悪酔いはせずにスッキリしてる。
人にご飯を美味しいと言ってもらえるのが嬉しい。

CB:
ミスターシービー。
僕が家に泊まる日は、いつも酔って寝る僕の枕になりながら夜を過ごしている。
でも複数人で飲む場合には炭酸ジュースやらお茶を僕に与える一面も…?
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