罪深ェ〜…!
好きだからこそ認められないことって、あるのかもしれないとぼんやりと思考する。
それは『好き』な時間が長ければ長いほどひどくなるんだろうな、とも。
『どうして、どうして、どうして!"あの頃"のあなたは人の輪に入るウマじゃなかったのに!!』
初対面の子にいきなり胸倉を掴まれたと思えば言われた言葉。
"あの頃"っていつだよ、と脳みその隅で突っ込みを入れながら僕はただ黙っていた。
僕が何か言う前に、その子が矢継ぎ早にキレ散らかしてくるものだからどうにも出来ず。
『時間、大丈夫かな…』と現実逃避気味なことを考えていたら、その子のトレーナーさん?が止めに入ってくれたのだけれど……。
「びっくり、した」
身長差的に軽く吊り上げられる形になっていたから軽く首絞まってたんだよね。
それに制服がこんなにシワになるくらいの力で掴まれてたからなぁ…。
「痕、ならなけりゃあいいけど」
*
「ねぇ、シルバー」
「ん〜?」
「これ、どうしたの」
「え?」
「…おや、これはこれは」
くん、とミスターシービーの指がシルバーバレットの制服の首元に引っかかり。
そこから見えた首元には細いながらも痣があり、それを目敏く見つけたミスターシービーとちょうど傍にいたシンボリルドルフの視線が鋭くなる。
「……ちょっと詰め寄られた、だけ?」
「誰に?」
「さぁ……」
「嘘だね」
「嘘ですね」
「そんなわけないでしょ?」
「誤魔化すにしてももっと上手にやってください」
「…そんなこと言われても、本当に知らない子だったし」
痕になってたか、たはは…。
当の本人はそう軽く笑うがそれを見ているふたりの目は笑っていない。
むしろ据わっていると言ってもいいだろう。
「ふぅん……?」
「へぇ……?」
───────
─────
───
そのウマから見た"シルバーバレット"というウマは孤高であった。
はじめは、『見てもらいたい』と思ったがある日不意に気がついた。
───
それは信奉というのかもしれない。
または信奉とすり替えることで気が狂いそうなほどの熱情を抑えようとしたのかもしれない。
ただひとつ言えることは、そのウマはその感情を自覚しながらも昇華させることが出来なかったということだけだ。
しかしある日を境にそのウマの中で燻るモノに変化が訪れることになる。
きっかけは、些細なことだった。
いつものようにトレーニングをしようとした時のことだった。
たまたま通りかかった先で見たのだ。
それがきっかけだった。
(どうして、)
孤高だったはずのシルバーバレットが笑っている。
トレーナー相手ならまだ許せた。
でも、何故、どうして、どうして、どうして!?
「なんで…?」
僕:
シルバーバレット。
何か知らんが絡まれた。
本人的には何もしてないのに!って感じ。
ところどころで罪犯してそうだなコイツ…。
詰め寄った誰か:
魂に刻みつけられている。
僕に見て貰えなかった結果、そのぐちゃぐちゃなココロを信奉心に変えて守った。
でも今の僕が様々なウマと笑いあっている姿を見て…?
"あの頃"のお前は、そんなんじゃなかっただろ!!
たぶんこの誰か以外にもこういう厄介な奴がそこそこ…ハイ。