成る可くして情緒とかそういうのを銀弾にぐちゃぐちゃにされる白峰おじさんェ…。
"馬狂いの白峰"…。
そう言われて久しい家に生まれた僕は、一族の中でもいっとう馬に狂わされている父に連れ添っては馬に関わらせてもらっていた。
馬という生き物は、何よりも美しい。
まるで芸術品でも見るかのような、その洗練されたフォルムと動きには目を奪われる。
それに、馬はとても賢くて優しい動物だ。
僕らが何かをお願いすれば、彼らはそれを察して動いてくれるし、僕らの気持ちも理解してくれる。
そんな彼らが大好きだったからこそ、僕は彼らに関わる仕事-騎手になった。
『お前は体小さいし、まぁ運動神経も馬に乗る時しか働かんしなぁ』
呆れ顔の父にそう言われたのも、今はもう懐かしい。
*
僕の父は何をするにも『馬』が行動原理にある人だった。
だがそれはその血を継いだ僕も同じことであり、暇さえあれば馬を眺めて。
時には触れ合って過ごしていたものだ。
父が世話を見ていた馬は総じて父相手には大人しい馬で、僕や母に対しても比較的穏やかに接してくれたものだが、それはやはり僕らが父の家族であったからだろう。
ただそれだけの話なのだ。
「…まぁ、そっか」
父が馬を愛するように、馬も父を愛している。
家族よりも何よりも馬を愛していて、その『愛』を僕ら家族も許容している。
仕方ないのだ、と。
元から
この血に生まれたが故に、どうしようもなく馬に惹かれて…。
が、しかし。
そんな僕らの『愛』は、普通の人には到底理解のできないものらしい。
……あぁ、そうか。
今更言うまでもないけど、これは普通じゃないんだ。
だから、僕はこうして一人ぼっち。
馬にしか興味が抱けなくて、人とのコミュニケーションが取れない。
だから仲良さそうに遊ぶ同年代を横目に見ながら家から持ってきた馬関連の本を読んでいた子ども時代。
それが終わってからもずっと、友達なんてものは出来ないまま。
人付き合いが上手く、それなりの『普通』の人間の幸せを享受する弟を後目に僕はずっと、父が世話する馬たちと触れ合っていた。
『アレは珍しく血に酔わなかったらしい』
馬に関わる仕事を選ばなかった、馬に
ともあれ、そんな日々を送ってきたせいだろうか?
いつの間にか、僕は人の感情というものよりも馬の感情の方が分かるようになっていた。
そして。
──ねぇ、
「どうしたんだい?バレット」
僕は『運命』と出会った。
誰にも、渡したくない『運命』と……。
白峰透:
"馬狂い"の一族に生まれた男。
人間とのコミュニケーションが難しい代わりに馬とパーフェクトコミュニケーションできる因子を父から引き継いだ。
馬と関わってないと感情や言動などが物凄〜く淡白だが、人とコミュニケーションできる実弟を真似て人と関わっているので余っ程親しくないと素がバレない模様。
そんな人生だったために『運命』と出会った瞬間より感情グラフがぐじゃぐじゃになり情緒不安定と化す。
ので何だこの感情…?しながら『運命』によって人間Lv.をアップしていくんだ…。
そして√によっては自分を人間にしてくれた『運命』をなくしたり、なくさなかったりするから…。ううん(白目)。