そういや昔読んだ怖い話で座敷わらしが逃げないように体バラバラにして家の敷地内に分けるように埋めたって話がありましたね。
深い意味はないですけど。
こんな自分を、慈しんでくれたのはあなただけだった。
『しろねぇ!』
そう呼んでいたあなた。
美しい白に見紛う芦毛の髪からそう呼んでいたあなた。
父に殴られ、泣いていた私をいつも手当てしてくれたあなた。
あなただけが私の救いで、私の初恋であった。
しかし。
『、』
釦を掛け違えるのが至極簡単であるように、すべてが狂い出すのもまた同じで。
あなたが。
あなたが笑いあっているのを見た。
農耕バらしい無骨な男と、また優しいだけが取り柄のような男と。
今まで一度もゆるんだことのない表情が、薄らではあるが微笑みを見せて。
故に。
それが出来るだけの権力が私にあったことに、はじめて私は感謝した。
あなたを人に指示して攫って来させて、逃げれぬように逃げれぬように。
あなたが喜ぶものはなんだろう、と全国津々浦々から物を集めてはあなたに与える日々。
けれど、あなたは
ぢっ、と。
静かな眼で私を視るのみ。
軽蔑した眼で、私を視るのみ。
何故、そんな眼をする!?
…などと聞きたくてもあなたは何も答えない。
ひとたび話せば未来が確定する唇を真一文字に伸ばしたまま。
ただ成した子どもが寄ってくる時だけ、その眦をゆるませる。
縛り付けるために。
成した子だというのに、気づけば憎い。
私がかつて受けたソレを何食わぬ顔で享受するその姿が。
母であるあなたの傍から離れず、怯えた顔で私を見る姿が。
憎くて、憎くて、憎くて。
そうして、呆気なく。
あなたは病にかかり、床に伏せた。
元から華奢だった体が痩せ細っていく。
どれほど高名な医者を呼んでも、どれほど最新鋭の薬を与えても。
一向に良くなるどころか悪くなる。
どうか、と泣きながら頼んでもあなたはいつもと変わらぬボンヤリとした眼をするばかり。
私を救ってくれたのはあなただけだった。
他はみぃんな、私を見て見ぬふりするだけだった。
あなただけが、あなただけが、あなただけが。
私に手を差し伸べて、頭を撫でてくれた。
あなたに相応しいのはこの私だ。
他の誰よりもずっと、ずっと、ずっと。
だから。
「しろねぇ、
懇願というよりも哀願で。
儚き女に
するとどうしたことか。
あなたは少し困った顔をしてから小さく笑って。
そして。
「…………ごめんなさいね」
初めて聞いた声は、ひどく冷たく。
ああ、なんだ。
そういうことなのか。
「未来永劫、わたしは、あなたのものには、ならない」
私はあなたのことをこんなにも愛しているというのに。
あなたは、やはりあの男を愛しているのか。
紡がれた言葉をもって、未来が確定したのにわらう、わらう、ただ嗤う。
心の臓が止まり、ゆるやかに冷たくなっていく躰を掻き抱きながら。
私は。
「それが、『運命』だというのなら」
変えてやる、と。
"しろねぇ":
名前不明。のちにこの呼び名が転じて"
言葉にした瞬間未来を確定させる不思議なチカラを有しているがその代償として記憶や人間生活に割けるリソースがほぼない。
だって日夜枝分かれした未来を見ては確定した未来と剪定された未来を見てるからね。常時トロッコ問題。実質未来予知の機械。
なお彼女が他人に与えたやさしさや行動はすべて彼女を愛してくれる、もしくは愛してくれた彼らを模したものである。
彼らならこうするだろう、という行動を機械的にとっているだけである。
故に彼女の行動に、意味など…。
私:
救われたと思ったのに救われなかった男。多分史実からそう。
淡い恋慕が暴走したら、こうなるんだネ!
メリット:何がなんでも尽くしてくれるところ。
デメリット:妄執が強すぎるところ。
で、この執着を子孫に連綿と継がせるからな…。
継がせるけど、後の子孫のやらかしを見たら…ウン()。
愛してる相手の血を継いだ子にあんなことを…ねェ?
しかもあんなことした上に逃がしてるしなガハハ!!…憤死してそぉ。