さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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どっかで見たような…?



知らない妄執

どうも、シルバーバレットです。

どこにでもいるウマ娘です。

…という自己紹介はさておき。

 

(ここどーこだ!?)

 

目が覚めたら知らない場所にいたんだナ。

見るからに品がいいし、金持ってそ…って思ってしまうくらいの部屋に。

寝かされてるベッドだってフカフカだし。

 

「お目覚めですか」

 

そう言いながら入ってきたのはこれまた上等な服に身を包んでいる男性だった。

年の頃は僕よりも少し歳上といったところだろうか?

しかし、雰囲気や物腰が大人びているせいか随分歳上に見えてしまう。

 

「え、ええと、あなたは…?」

 

戸惑った声で質問しようにも答えはなく。

かといって、この部屋から出してくれるつもりは毛頭ないらしい青年は「今日はお休みになってください」と。

仕方なく就寝することにしたのだが……。

 

(いや、なんでこんなことになってんだ?)

 

翌日になり、改めて聞いてみたわけだがやはり教えてくれることはなく。

逆にお姫様もかくやというほどのおもてなしをされては件の青年と向かい合って食事をとったり話をしてみたり。

 

すると分かったことがひとつふたつ。

まず僕をここに連れてきたのは青年が雇った人たちであること。

ふたつ、青年が僕を連れてこさせた理由は青年が僕に惚れたからだと。

……はい?

 

「あぁいえ、別に一目惚れしたとかそういうのではなく……」

 

僕の困惑を感じ取ったのか慌てて訂正する彼だったが、それでも理解に苦しむ理由には変わりはない。

いや、どこに告白もせず攫うヤツがいるんだよ!…という言葉は飲み込み。

 

「なに?キミは、僕のことがそれほど好きだと?」

「好きです」

「即答だなァ」

「あなたのためなら何だってできます。欲しいものも何だって与えます」

「…へぇ、」

 

これはなかなか面白いことになったぞと思いつつ、僕はさらに彼の話を聞くことにした。

彼はどうやらとある有名企業一族の若き当主らしく、血を繋ぐために政略結婚させられるのだという。

だが彼は既に僕に惚れてしまっていた。

かつて、唯一自分の頭を撫でてくれた僕に。

 

「へ?」

「覚えていないのも、無理はないでしょう。…あなたにとってはただの日常の一部、それは分かっています」

 

当主たれと実の家族から暴力紛いの教育を受けていた彼はある日、家出した先で僕に出会ったのだと言う。

手当を受けて、褒められて。

それが嬉しくて、忘れられなくて。

だからどうしても欲しかったのだと。

 

「ま、待ってくれよ。そんな、たったそれだけで!?」

「はい、そうですよ?」

 

ですので。

 

「僕のモノに、なってください…ね?」





僕:
シルバーバレット(ウマ娘のすがた)。
相手のことを『やっべぇなコイツ…』と思っているが生来のお人好しであるため『コレ逃げたらコイツやばいことになるな…』と思っては逃げるに逃げられないんだ!
この軸では最終的に絆されてそ…。

相手:
妄執バリバリ。
なんか『運命』的なモノを僕に感じているのかもしれない。
地位的には優良物件中の優良物件。
人となりも(受け入れさえすれば)優良物件。
なので誠心誠意全身全霊をもってこれより(攫ってきた)僕に尽くしに尽くし始める。

…ですからどうかどうか、愛してください。
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