さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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普段が大人しいだけでちゃんと気性が荒いウッマ。


舐めてくれるな

海外なう。どうも、僕です。

相変わらずご飯は食べ続けてるよ。お水は日本の方が美味しいけれど。

 

「バレット」

「ブルっ(騎手くん)」

 

ぼんやりと思考に耽っていた時、タイミングよくやって来た騎手くんたちに促され、調教となった。

僕と一緒にここに元からいる馬がお供につけられたのだけど。

 

(…う〜む、馬鹿にされてることは分かるぞぉ?)

 

悲しきかな、言葉が通じなかったのである。

いや、元から僕は耳が聞こえにくいけれどまさか言葉が分からないって、ねぇ?

けれど、馬鹿にされてることだけは目の前のニヤついた顔から嫌っていうほど分かるんだよな。

…OKOK。

 

(そんだけ遊びたいってんなら好きなだけ遊んだらァ!)

 

 

イギリスについてから初めてのシルバーバレットの調教となった。

シルバーバレットの食事も問題がなさそうで(そもそもシルバーバレットは好き嫌いしないタチだが)、環境が変わってもスヤスヤと安眠していたし、そろそろ調教しようということになったのだ。が、

 

「バレット?」

「ブルルルっ、」

 

調教の相手としてつけられた現地の馬は平均より少し大きめ程度の馬だった。

そんな馬に体の小さいシルバーバレットは舐められているようで人間の僕が見ても「舐めてるなぁ」と思ってしまった。

そういう訳で完全に煽られた状態になったシルバーバレットはヤる気満々となってしまっていて、

 

「待っ、待ってくれバレット!」

「ブルルっ、フヒンフヒンっ!!」

 

調教する場所に行こうぜ…久しぶりに…キレちまったよ…、とでもいうかのようにグイグイとシルバーバレットが進もうとし、止めようとしたが無理だったので諦めた。

 

「…バレット、脚のこと忘れないようにしてね」

「…ブルっ」

 

忘れてた、とでもいう風に嘶いたのには苦笑するしかなかったが。

 

 

かかってこいやぁ、何頭かかってこようが全員メンタルボコボコにしたるわい!チビって言うなバーカバーカ!!

 

…どうも、僕です。

クッソがぁぁぁぁ…、全員舐め腐りやがってぇぇぇ…!

さすがにさ、初めはね、僕の方が歳上な訳だからさ、我慢しようと思ってたんだよ。

でもさ、毎回毎回会う馬会う馬に馬鹿にされてたらさ、…ブチ切れちゃうのもわけないと思うんだよね。

 

「バレット〜、落ち着け〜」

 

あ、お世話役の人だ。

荒れている僕を心配したようでリンゴを差し出してくれた。

シャクシャクと食べながら、ちょっと甘さが薄いなぁと考える。

リンゴも好きだけどバナナとかも食べたいよな。

僕は何でも食べるけど妹のフォーチュンは好き嫌いが激しかった。

僕が言い含めると渋々食べだしていたけれど、あの子ちゃんと食べてるかなぁ。




僕:海外に着いた。
馬鹿にされても『相手は年下だからな…』と鷹揚に応対していたが、会う馬すべてに馬鹿にされ続けたら流石にキレた。ちゃんと気性が荒いところがある。人間相手には優しいだけ。
キレたので、全員併走でわからせた。ボコボコのボコにした。
最終的に負かされたウッマのみなさんは心ベキベキと化し、最終的にボスの座を譲られることとなってしまった。
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