さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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やべ〜ヤツが恐れるやべ〜ヤツ定期。



かつて、の話

「ねぇ」

「ん?どうしたノ?」

「おじいちゃんの、お父さんはどんな人だったの?」

「ぼくの?」

「うん」

 

ふと。

可愛い孫から告げられた問にホワイトバックは考え始める。

父、父か…。

 

「う〜ん…、おじいちゃんのお父さんはねぇ、"ホワイトインセイン"っていうんだ」

「いんせいんおじいちゃん?」

「そうそう」

 

思い出す。

神出鬼没の災厄。

関わるだけで、すべての掛金をぐちゃぐちゃに掛け替えていく。

…それが、ホワイトバックの父-ホワイトインセイン。

他人の隠し通した秘密を事も無げに暴いてはその後なぞ気にもせず。

ただただ己が欲求を満たすためだけに動き続ける存在だった。

そんな父はある日を境に姿を消した。

しかしそれは行方不明になった訳ではなくて、単に隠居をしただけなのだという事を後に知った。

『現代のサンジェルマン』と呼ばれて恐れられていたバケモノだ、その行動原理なんて誰にも理解できやしないし、そもそも理解できるとも思わない。

だがそれでも、ホワイトバックには一つだけ理解出来ていたことがある。

───ああ、この人は本当に自由なんだなぁ、と。

羨ましい、くらいに。

 

「…………」

「……おじいちゃん?」

 

心配そうな顔で自身を見つめる孫に大丈夫と手を振る。

大丈夫…だ。

 

 

「なンだ、オメェあの凡とこの娘と結婚すンのか」

「…おかえりなさい、御父様」

「おう」

 

ホワイトバック自身も自分が気性難である、という自覚があったがその父であるホワイトインセインはその自覚が()()()()()、自身の狂気を他人に伝播させる癖があった。

それは中々()()()()にはならないはずの一族の者たちを簡単に狂わせるほどで若き日にホワイトインセインが家を出たのもそのことが理由だと、聞いていた。

だからだろうか、ホワイトバックはこの父が苦手であったのだ。

 

「んでよォ、さっきの話なんだがよォ、あァーっと確かアレだ、テメェの嫁になンのはあの凡の娘なんだよナァ?」

「の、ノーマルさんのことなら、そう、だけど…」

「そう、そうだ。ノーマルだ、凡だ」

 

聞くに。

ホワイトインセインと『凡』ことホワイトノーマル(後のホワイトバックの妻・ホワイトキティの父にあたる)は生まれた頃から共にある幼なじみだといい。

中でもホワイトインセインは自身にいちばん近しいのにも関わらず()()()()ホワイトノーマルをそれはそれは…気に入って、いるのだと。

 

「話はそンだけ。じゃ、俺ァ凡に会ってくるわ」

「あ、うん…」

 

ドカ、と足で襖を開ける音と驚いた声が聞こえる。

そして耳に「よォ、凡」「久し振りだねぇ、いーちゃん」と聞こえたのを最後に。

 

「…キティのとこに行こ」





【白の狂気】:
ホワイトインセイン。
ホワイトバックの父。
一族の中でも魅了の力が最も強く、それは耐性があるはずの一族の者さえ狂わせるものだった。一族1のモテ男。
ちな生存√銀弾の牝バにモテモテ要素はこの方から引き継いだ素養だったりする。

在るだけで周りを狂わせ、他人の図星をつくのが上手い。
……まぁ、その図星は他人が必死に見て見ぬふりしている『確信』ともいうのですが。

それはそれとして『凡』と呼称する"ホワイトノーマル"という幼なじみをとてもとても大事にしている。
自分の、帰る場所とするほどに。
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