さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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明言はしないけど…みたいな。



穏やかな日々、三人暮らし

この三人で、何故同居することになったかは今になっても分からない。

気づけばこうなっていた…というしかなく、それはそれとして長年学友であったから気心も知れており特段諍いもなく穏やかに過ぎていく日々に「まぁ、いっか」と慣れてしまっていたのだ。

そして、その日もいつものように朝食を済ませて家の仕事でもしようとした時だ。

 

「ねーえ、シルバー」

「んー」

 

呼び声にパタパタと玄関に行く。

するとそこには準備万端の同居人ふたり-ミスターシービーとカツラギエースがいて。

「はやく行かないと遅れるよ?」と言おうにも「ほらほら」と促されれば仕方ない(いちおうカツラギの方は早く行くぞとせっついていたが)。

 

「はいはい」

 

ちょっと背伸びして、ふっとふたりの頬に軽くキスをする。

無事に帰ってきてね、の『おまじない』。

実家で昔から当たり前のように染み付いていたものだから大切なふたりがこうして外に行く時は欠かすことなくしている。……のだが。

 

(あれ?)

 

なんか今日はいつもより長い…?と思いつつ首を傾げていると、「じゃあ行ってきます」「うん、頑張ってくる!」と言って出ていったふたり。

何だったんだ?と首を傾げて、せかせかと家の仕事をして夜に近くなると帰ってきたふたり。

 

「おかえり〜って、わぁ!」

「ビックリした?」

「今日は記念日だからな!」

「わぁ、わぁ、わぁ!!」

 

それから僕に手渡されたのは大きな花束と僕が好きなシンプルなショートケーキのワンホール。

 

「ありがとう!嬉しいよ!!」

 

そう言うとふたりとも嬉しそうな顔をして。

ぎゅうぅっ!!と抱きしめられたり頭を撫でられる。

 

 

どちらかひとりだけでは、囲い込めなかったと思う。

出来ても精々時々家の世話をしに来てくれる…程度のものだったろう。

だが、ふたり手を組めば話は別だ。

あれやこれやと勘づかれそうになったところで互いにフォローする。

卑怯だ、とは言うまい。

そうでもしなければ、この小柄でありながら誰も敵わぬ"魔性"に勝てるわけがないのだから。

 

「えぇ〜…いいの?」

「おう」

「だってシルバー在宅で働くつもりなんでしょ?」

「うん、いちおうは」

「それにお前放っておくとめちゃくちゃテキトーな飯作って終わらせそうだし」

「う゛っ」

「だよね〜。シルバーってば自分以外の人がご飯食べる時は張り切るタイプだけど自分ひとりだったら胃に何か入ればいいよね!ってタイプそう」

「…………」

「図星じゃん」

「…よろしくお願いしやーす」

 

…。

 

((ぐっ))

(なんか『やったぜ!』みたいな動きしてるや…)





僕:
シルバーバレット。
CB&カツラギと三人で過ごしている。
基本在宅ワークで家のことを細々と。
毎日ご飯を美味しいと言ってくれ、事ある毎に花やらスイーツを買ってくるふたりに苦笑しながらも何だかんだ嬉しそうにしているらしい。

CB&カツラギ:
ミスターシービー&カツラギエース。
手を組んで、手に入れた。
二人ともURAで働いており、僕手ずから作られたお手製弁当に舌鼓を打ちながら毎日頑張っている。
ちな実は毎日のルーティンである「いってらっしゃい」の諸々をされないと調子が上がらなかったり…?
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