気づけば誕生日というヤツであった。
家族はみな祝福してくれ、『今日の主役!』と書かれたタスキをかけて誕生日ケーキなどを含む料理に舌鼓を打ったワケだが、
「豪勢な誕生日だったな」
「あ、サンデー」
満腹になった腹をヨシヨシ撫でさすっていると近づいてくる影―サンデーサイレンス。
僕の自他ともに認めるマブダチである彼は招待メールを送っていたとおり来てくれたようだ。
そんな風に考えている僕だったが、
──バシッ!
瞬間、視界が真っ白になる。
何事!?と思ったのもつかの間、舌に触れるものが甘いことに気がつくと、
「…パイ投げはだいぶベターでは?」
「でもそういうの好きだろ?お前」
ケラケラと、笑い声が聞こえる。
まぁ、確かにこういうのは嫌いじゃないけどさ。
…というかやっぱりもったいなくない?
パイ投げしかり、食べ物使うヤツって。
…クリームが甘さ控えめなのは、高得点だけど。
「さて、じゃあ次はプレゼントだ」
「おー」
「と言っても俺から渡せるのはこれくらいしかないんだが……」
言いながら彼が取り出したのは、小さな封筒。
……なんだろう?
そう思いつつそれを開けてみる。
すると中には……、
「は?え、ウソォ!?」
「マジマジ、大マジ」
あるG1レースの観客チケットが入っていた、しかもコースを考えるとめっちゃ良い席のヤツ。
「確かオメーの元トレーナーだったヤツが担当してるのが出走するんだったろ?…ソレ思い出したからダメ元でやってみたんだが」
「〜〜ッッ!!ありがとう、さすがサンデー!!!!」
「ぉ、おう、」
思わず彼に抱きつく。
うっわ、すごく嬉しいんだけど!?
マジサンキュー、最高すぎるよ!
いや、だって、これなら見れるじゃん!
先生の活躍(?)見れるじゃん!
あーもう、今日一番最高のプレゼントだよコレは!…などと。
キャッキャウフフし、
『はい、…バレット?』
「せんせ〜!」
『うん、お誕生日おめでとう』
「あ、覚えててくれたんだ」
『そりゃあもちろん。運命の相棒だもの、覚えてるさ』
「ははは、キザだね」
『…今、僕もそう思ったとこ』
もう、深夜に近くなった時間に悪いとは思ったけれど電話をする。
どうしても、話したかったから。
「あ、せんせ」
『ん?』
「今度のレース、見に行くね」
『え、どれを?』
「えっとね〜」
それから。
10分、15分話したあと、
「またね、せんせ」
『うん、また…バレット』
プツンと、電話を切る。
そして残されたペカペカと光る小さなディスプレイを見ながら僕は、
「んふふ…」
僕:
シルバーバレット。6月25日が誕生日。
毎年、家族からめちゃくちゃお祝いされる。
けど胃の許容量がそこまで大きくないので用意される料理はほぼ周りの者たちの手(胃?)で処理される模様。
今回、マブダチからとあるG1レースの観戦チケットをもらい大喜び。
何故なら今も尚トレーナーな己が最愛の相棒の姿を見られるから。
サイッッコーの、プレゼントだぜ!!
SS:
僕のマブダチ。
プレゼント、喜んで貰えたのなら何より。
僕の相棒:
まだまだ現役なヒトミミトレーナーさん。
基本優しく、にこやかヒトではあるが過去の担当であり『運命』と呼んではばからない僕の傍にいる時は普段の何割か増しで頬が緩んでいる。
あの子が見に来るって、担当の子にも言っておこう!
(ちな担当の子は僕の熱烈なファンだとか…)