さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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しっぽハグ戦争



くるり、するり

ウマ同士のコミュニケーションの一部として『尻尾ハグ』というものがある。

端的にいうと「ウマ同士が互いの尻尾を絡め合う」というものなのだが…。

 

(ま、また巻かれてる…)

 

小説を読んでいたシルバーバレットの垂らされた尻尾に絡んできた尻尾。

その感触はまさしく今自分の目の前にあるそれに描写されているのと同じで……。

そして小説の中で語られていた尻尾ハグの意味を思い出し、シルバーバレットは息を吐く。

 

「、」

 

本を閉じて、ちろりと見つめる先にいるのはクラスメイトであるミスターシービー。

その尻尾はするりと伸びてきてシルバーバレットの尻尾に巻き付き、それはまるで抱きしめるように―――いや、実際にそうなっているのだが、ともかくそんな状況になっていた。

当の本人であるミスターシービー本バはといえば、いつものようににこやかな笑みを浮かべながら周りと話しており、シルバーバレットの様子に気づいていないようだ。

 

(…ミスターも好きだなぁ、尻尾ハグ(コレ))

 

 

気づけば、シルバーバレットにとって『尻尾ハグ』というものはコミュニケーションのようなものとなっていた。

きっかけは本当に些細なことで。

ある日、いつものように過ごしていたら巻き付けられた尻尾。

「コレ、コミュニケーションなんだぜ」と、今となっては言いくるめられたような気がしないでもなかったが、悪い気はしなかったし、むしろ嬉しかった。

それ以来、尻尾ハグが楽しみになりつつあったのだ。

とはいえ、それを自分から求めることはできなくて、「誰かしてくれないかしら」とただひたすら待つしかなかった。

そんな折、

 

「なら、私としましょうか」

「えっ、いいの!?」

「…えぇ。もちろん」

 

後輩であり、友人であるシンボリルドルフから誘われ、尻尾ハグをすることに。

 

「…なんか、照れるね」

「ほう…。なるほど、こういう感じですか」

「ちょっ!ちょっと!」

 

それからというもの、何かと理由をつけてシルバーバレットは『尻尾ハグ』に巻き込まれるようになる。

時にはそれを見た先輩・後輩とおこなったりして。

そうやって過ごしているうちに、いつしかそれが当たり前になった。

だから、シルバーバレットにとって『尻尾ハグ(コレ)』はもう日常の一部なのだ、…とは言っても。

 

「人前でやっちゃダメだよ!ダメだって!!」

 

怖い目で、自分ににじり寄ってくる友人たちに引き攣った顔をする一場面が、ほぼ毎日起こるとは予想できるハズもなく…。

 

「ヒョ、ひょええぇぇ……!」





僕:
シルバーバレット(尻尾ハグされるすがた)。
もはや尻尾ハグされすぎて感覚がマヒしている。
が止めるヤツはいないし、全員同じ穴のムジナだし…。
尻尾をブラッシングしたら、たぶんきっとメイビーで色々な色の尻尾毛が出てくる。

尻尾ハグ勢:
はじめに言いくるめたのはAさん。
これ幸いとしたのは【皇帝】。
負けてられないとやってきたのがCB。
御三家はこんな感じ。
…まぁ、まだいっぱい居るんですがね?
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