どうか。
笑って、笑って。
根本的にこの系列はみんな
後にSAN値ヤバめになるヤツ(例:【銀色の王者】など)もレースに関して言えばみんな
あの血筋は、根本から
どれほどパッと見の性格がレースに向いておらずとも本質は
周囲と、視座を共にあれない。
周りと足取りを同じくしているようにして、見方は実に
それを皆、本能的に理解しているのだろう。
その顔に吠え面かかせてやると言わんばかりに意気込む者が多いのだ。
だが、そんなことは───。
『……』
あの血筋には関係なく。
当然の顔のまま勝利を喜んで見せ、そして次の瞬間にはまた次のレースへと想いを寄せる。
後ろなんか見ないまま。
想いも、知らないまま。
ただ前だけを見据える瞳で。
*
勝つということは山を作るということ。
その山を足場にして次のステージへと進むべく、足元から聞こえる声には耳を貸さず、逆に黙らせるように脚に強く力を込めて。
まるでそうすれば自分の行先に辿り着くかのように、ただ真っ直ぐに先を目指す。
それはある意味では、とても傲慢な行為なのかもしれないけれど。
【──────】
踏み潰された者は縋り付くことさえできやしない。
伸ばした手が踏み出す足首を掴むことは決してなく、叫ぶ声も周りに掻き消されて対消滅。
物語でいえば行間の狭間に落っこちてしまったようなもの。
誰にも見向きされず、記憶から消されていく。
それこそが最も正しい形だとでも言うような光景の中で。
【───────!!】
ふいに、一つの影が動いた。
踏み荒らされ、蹴り飛ばされた地面の上で。
手を伸ばして、叫んで、躍りかかった。
がしかし。
【!?】
同じく伸びてきた手が影を引っ掴み、引き摺り戻す。
何故なら山になった皆々様は多かれ少なかれ同じ穴に住む同胞で。
それ故に抜けがけなぞ───許すはずもないのだ。
手を伸ばせるほど、上にいたのが不届き者として下へ下へと落ちていく。
もう二度と戻れないほど深くまで落ちていった影。
そこまでいってようやく当の本人は、
「…?」
なぞと。
*
高いところから見る景色が好きだ。
けれどそこに辿り着くまでの道のりはどっちかというと整備されていた方がいいと思うのはワガママだろうか?
だって蹴躓いて怪我をするのは、誰だって嫌だろう?
……まぁ、だからといって。
わざわざ道を舗装してやる義理なんてものは何処にもないよな、とか思いながら今日もならすように力いっぱい踏み込む。
高いところから見る景色が好きだ。
だが自分が見たい景色はもっともっと高い場所にあって。
ならば、もっと頑張らないと。
「…星、視えるかな」
もっと高みへ、もっと高みへ。
…嗚呼、この山じゃ。
───まだ、足りないや。