さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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心象風景みたいな夢を見る銀弾の話。
何かこういうとこ血筋というか…(目逸らし)



踊れ、踊れ

──ふとした時に、見る夢がある。

 

夢の中で自分はただ踊っている。

何のルールもなく無造作に。

まるで"たのしさ"だけを追求したかのようなステップを踏んで笑い。

だがどれほど踊っても転ぶことはなく、また疲れることもなく。

好きなように動き、好きなように踊るのだ。

ただそれだけの夢だ。

 

……そして目が覚めた時、その夢の余韻に浸りながら思うことがある。

あれは一体何なんだろうな、と。

そんなことを思いつつ、今日も僕は眠りにつく。

明日もまた、あの踊りをするために。

 

 

夢の世界は、いつも変わりない。

空も、地面も、何もかも。

だが、普通と違うところがあるとすればそれは、

───空が赤かったり。

───地面を誰かの屍が構成していたり。

…などといったことだろう。

 

ここは、僕の心の中の風景なのだろうか。

だとすれば随分と物騒で血生臭いものだ。

 

「…………」

 

そんなことを考えているうちに、いつの間にか定位置へと来ていた。

僕のための踊り場。

ここでなら誰にも邪魔されずに踊れる。

さぁて……それじゃあ今日も始めようかな。

そうして僕は、また踊り始めた。

 

「……」

 

誰もいないはずの空間から視線を感じるような気がしたが、気に留めずに踊り続ける。

今更気にするようなことでもないし、気にしていては何もできないからだ。

 

この踊り場は誰かの夢の屍でできている。

僕が、僕の夢のために踏み潰した結果、具現化したセカイ。

だからここにいる限り、僕はずっと踊り続けなければならないし、ここ以外に行くことすらも許されない。

だけどそれがどうしたというのか?

だってここには、こんなにもたくさんの観客がいるじゃないか!

ほら、見てくれよ皆。

これがキミの望んだ世界だよ?

キミたちが欲しかったモノだよ?

 

…それでいいじゃないか。

だってここは、僕の、彼らを踏み台にしてでも叶えたい願いの具現なのだから。

ならばそれらを壊した以上、彼らの想いを引き継ぐ義務が自分にはあるはずなのだから。

 

さすれば。

これは自分のためだけに生きる僕が、自分だけの幸せを掴むための代償行為に過ぎないのだろう。

または、俗にいう罪の意識というヤツが見せる幻覚なのかもしれないが。

 

お前が踏み潰したのだから、その償いに踊り続けろ、と。

 

…構わない。

むしろ望むところだ。

それに……。

こうしていればいつかきっと、『夢』が、心の奥底の『何か』が、叶う日が来るはずだと信じているから。

それまではこの踊り場で踊り続けてやるつもりだし、たとえどんな困難が立ち塞がろうと諦めたりしない。

だから。

 

「あはは」

 

今日も、僕は。





屍山血河で、踊るがいい。

僕:
シルバーバレット。
お綺麗な場所よりおぞましいところで笑っているのが何よりも似合うナチュラルボーン強者。
自身が踏み潰した夢の屍を舞台の素材にしては今日も踊っている。
また踊ることを選び取った結果、止まることを許されなくなってしまった。
が、それを「そっかァ!」と安請負してるところもあるのでネ。
まぁ、そういうところがお強いんですが…。
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