さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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バカクソアプローチかけて外堀も埋めてんのにそれでもガチガチに縛り上げないと逃げてく逃げてく…するってさぁ…(呆れ顔)。



覆い隠して、格好つける

グローリーゴアというウマ娘は、見目麗しい見た目とは裏腹に仏頂面だと有名らしい。

いちおうはファンなどに声をかけられれば微笑みぐらいはするようだがそれ以外ではとんと。

けれど、『そんなところも素敵!』だなんて意見が多数なのだから人気者は大変だよなとも思う。

がしかし。

 

「スー」

「ん」

「またキミの料理が食べたい」

 

キミ、好きな食べ物:特になしって答えてたよな?

でもこの前のインタビューか何かで「僕の料理が好き」だとか何だとか言ったとかで僕の方に面倒くさいくらい真偽を確かめる〜みたいなのが来たんだぞ。

それで僕にどうしろっていうんだよ……。

いや別に嘘をつく必要もないんだけどさぁ。

 

「まあ、気が向いたら」

「うん、楽しみにしてる。…キミのご飯なら、何でも美味しいし」

 

そう言って彼女は再び食事に戻った。

僕はそれを横目に見て、自分の分の食事をちみちみ食べる。

そういえば。

気がつけば留学先で、すぐ引き払えるように殺風景な僕の部屋を徐々に占領してきた彼女の物。

服や歯ブラシから始まり、果てにはトレーニング器具だとか。

いつの間にか増えていたそれらを見てふと思う。

…これってもしかしなくても見る人が見たらアレじゃないか?

今更ながらその事実に気づいてしまった僕は思わず頭を抱えたくなった。

しかも僕の部屋から配信始めたりとかするしな!!!!

 

「こんにちは、今日も今日とて元気なサンデースクラッパでーす。…じゃあ引っ込むから」

「うん、ありがとう」

 

最近は、何かそういう"切り抜き"?ってヤツも上がってるらしいし?

ふたり揃ってるだけでヒソヒソというか、黄色い声が上がる現状にどういう顔をすればいいのやら。

この前には薔薇の花束もらったし。

しかも黒い薔薇を999本!

何で1000本にしなかったんだとか、よく見る赤色の薔薇じゃないのかとか色々言いたいことはあったが周りの声がうるさすぎて何も言えなかった。

ちなみにその後すぐに花瓶を買いに行きました。

そんな小洒落たもの、我が部屋にはなかったもので。

 

「キミ、僕にいろいろと贈るよな」

「…ダメかい?」

 

服やらアクセサリーやら靴やらとかさ。

それにしても結構なお値段のものばかりだと思うのだが。

彼女曰く『僕が贈りたいから』とのことだけど。

 

「いやまあ、嬉しいっちゃ嬉しかったりするけど……」

「だったらいいだろ。それとも迷惑かな?」

「…物が増えたら、持って帰るの、大変そうで」

「……へぇ、」

「いちおう留学生の身だからな。いつかは帰るだろうし」

「…そう」





【戦う者】:
サンデースクラッパ。
何も気がついていない。から、帰るつもりでいる。
色々もらったりして堀を埋められてるのにね。

ちな貰った薔薇は食べられるものだったのでジャムやら砂糖漬けなどにしてチマチマ食べたらしい。
…大事なモノは、誰にも取られぬよう、胃の中に収めるタイプなもんで。
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