少し時期的には早い話ですが。
…なので絡めとって、傍に置く必要があるんですね(白目)
「海に行きたい」
暑い夏の日。
グローリーゴアの親友がそう言った。
*
周囲にいる者なら誰もが知っている事実だが、グローリーゴアの家はそこそこの良家である。
なので頼みさえすれば使える別荘も幾らかあり、その中のひとつ-海辺にあるコテージにグローリーゴアとその親友-サンデースクラッパは訪れたのであった。
「さっきの買い物で数日は持つと思う」
「そう」
「今日は無理だが明日は天気がいいらしい」
「…うん」
だが。
グローリーゴアはソファーに身を寄せる親友を見て思考する。
どうにも、ここ二、三日前からうわの空。
話しかけてもぼんやりとした返答しか返さず、いつもの朗らかな笑みもウソのように消え失せている。
何かあったのか? と聞いてみても首を横に振るだけ。
ただただぼうっとした表情を見せるばかりだ。
・
・
・
「スク!」
名を呼ばれ、掴まれた手が軽く軋むのにビクリと反応する。
見上げた先には煌々と輝く月。
振り返ればゼェゼェと息を荒らげる親友。
「あれ、?」
思えば。
もう少しで腰の辺りまで、水の中。
それを理解した瞬間にドッと体が重くなる。
着衣泳なんぞ慣れてないから当然か。
「なぁんで……」
こんな事をしているんだろうね。
呟く声と共に意識が落ちていく。
*
「そろそろお盆だね」
「お盆?」
「うん。こっちで言うところの…ハロウィン?みたいな」
たしか、そんな話をした気がする。
制服が半袖になり、汗をかくようになって。
なら涼みに行きたいね、という話からのはずだった。
…はずだと、思っていた。
「あのね、」
「……あぁ」
「この時期になるとね、
「……」
「水とか、反射するところで時々、本当に時々視えるんだけど」
この時期が、いちばんだから。
そう漏らす親友の目は、ナニカに浮かされているようで。
「ウチの家族ね、海には、
あえるのにね。
音もなく、呟かれた言葉が嫌に重い。
がらんどうの眼差し。
だけれども"誰か"を視ている眼差し。
その視線を追ってみるけれど何もいない。
何も無い。
だというのに。
なぜだろう。
この背筋を走る、寒気は。
*
はじめて"あなた"を視たのはいつだったろう。
雨が上がったあとに残った水溜まり?
それとも自分一人だけで外を眺めていた時の、窓ガラスの中だっけ?
"あなた"はいつも笑っている。
誰よりも楽しそうな笑顔を浮かべていて。
でもそれはきっと作り物なのだと、僕は知っていた。
だって、ほら。
今の"あなた"の顔ときたら!
『ねぇ』
初めて声を掛けられた時、正直言って怖かった。
だけど今となっては懐かしい思い出話だ。
何故なら…。
・
・
・
ひとりは、さびしい。
呼んでるつもりはないのだけれど、やさしいあの子はふらりと来てしまう。
だから必死に我慢しようとしても、さびしい想いは…。
───誰か、むかえに。
【栄光を往く者】:
グローリーゴア。
【戦う者】を誰にも、
遊びに来て、深夜(抱き枕がわりにして)腕の中にいた【戦う者】が抜け出した気配に着いていったらヒエッヒエに。
結果、
…まぁ、悪いのは誰かって言われたら、仕方ないっていうか……ハイ。
【戦う者】:
サンデースクラッパ。
よばれた。
けれども呼んだ相手を『怖い』と思うことはない。
それは、今までもこれからも。
何故なら、『やさしい人だ』と
……そんなんだから、よばれるんだよ。