似たもの同士、きょうだい。
シルバフォーチュンの一日は、自身の上のきょうだいであるシルバーバレットの靴箱を見ることから始まり終わる。
シルバフォーチュンのきょうだいであるシルバーバレットはとても人気なウマだ。
それはミスターシービーから始まる名バにいつも囲まれていることから分かる事実ではあるが、実は意外とシルバーバレットというウマは…。
「また、今日もいっぱい」
シルバフォーチュンの手の中には色とりどりの可愛らしい封筒が、ひい、ふう、みい…いっぱい。
だがこの封筒の宛先はシルバフォーチュンではなく、そのきょうだいであるシルバーバレット宛なのだが。
そう、シルバーバレットはモテるのだ。それも先輩同輩後輩問わず。
もちろんこれはただの人気の延長線でしかないだろうが、それでもシルバーバレットに憧れている者は多い。し、中には本気の本気で恋をしている…かもしれない者もいるだろう。
そして、そんな手紙を毎日のように貰うシルバーバレットに対して、
「…………」
無言のまま、シルバフォーチュンは封筒を数枚ふんだくると無造作にビリビリと破き。
淡いパステルカラーの想いが宛てられた相手に知られることなく、無慈悲にも、無造作にも散っていく。
縦に割いて、横に割いて。
名前が書かれた部分を引きちぎって。
それを何回か繰り返した後、ようやく満足いったのか小さく息をつくと、シルバフォーチュンは自分のベッドにて就寝した。
その横にあるクズ籠にはいつものように、ちょっとした紙屑の小山ができていた。
*
ふわふわ、くすくすとやわらかに笑うシルバフォーチュンというウマは俗にいう女子校のお姉様枠として人気だったりする。
レースにおいて見せる好戦的な一面とのギャップ…も理由のひとつにあるかもしれない。
しかしそんな彼女には、
「…」
「バレット?」
「アッ、イエ。なんでもないです先生!」
ひとたび妹に対する邪な念を感じれば、スチャッ!と背中から特殊警棒を取り出してくる様子はまさしく…ゲフンゲフン。
とはいえ、今にもソレを振り上げて念の方へと突撃して行きそうな勢いには流石の『先生』と呼ばれたシルバーバレットのトレーナーも止めざるを得ず。
フーッフーッ!と猫が威嚇する時のように息を荒くさせる担当バに、彼は困ったように頭を掻いた。
「あーっと……とりあえず落ち着いて?ほら深呼吸しよう?」
「チ゛ッ゛!」
「見事な舌打ちだぁ…」
妹:
シルバフォーチュン。
僕がシスコンであるようにこっちもこっちで大概。
知られない想いは『そこにない』と、同じなんですよ?…ふふふ。
僕:
シルバーバレット。
ファミリーコンプレックスから枝分かれしたシスターコンプレックス持ちのウッマ。
僕はお前が僕の妹を邪な目で見たのを見たぞ!!
…万タヒに値するッッッッ!!!!
とは言っても、背中から引き抜いた特殊警棒で脳天割りしようとするのはやめてくださいタヒんでしまいます。