さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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長兄・次兄、互いに激重感情で刺しあってるから周りを何も見てないんだよね…。
やっぱり銀弾の仔だな…(周囲の視線から目を逸らしながら)。



似て、非なる

『キミが僕の仔かい?』

 

ひとり、塞ぎ込んでいた自分に手を伸ばしてくれたあなた。

母から幾度となく話を聞いていたからすぐ分かった。

───あなたが、僕のお父さんだって。

 

『たしか、キミのおじいさんは…。なら、"シロガネハイセイコ"にしよう』

 

僕を抱き上げてそう言ったあなた。

母に、会いに行かないのかと問えば『僕はキミを引取りに来ただけだから。キミを引き取る話は一緒に来てくれてた人がしてくれてるだろうし』などと。

それを聞いて…僕は嬉しかった。

母は物心ついてからずっと、僕にあなたのことを話していたから。

あなたにもう一度再会するために優秀であれと僕に、狂気じみた目で言っていたから。

…だから、

 

『家についたらキミが使うものをいろいろ買いに行かなくちゃね』

 

あなたが、()()()が僕を選んでくれたことが嬉しい。

いちどは愛した我が母(じょせい)すら目に入らずに。

本当に、僕に会うためだけにここに来たあなたが…嬉しい。

 

『ハイセイコ』

『はい、父さん』

 

それから、家についてあなたと暮らして。

一緒にお風呂に入ったり、一緒に寝たり、走り方を教えてもらったり…。

()()()()、この場所は僕とあなたの世界だった。

 

『紹介するね』

 

ほがらかに微笑むあなた。

その後ろには。

 

『この子はシロガネヒーロー。キミとは兄弟になるかな?同い年だけど』

 

"シロガネヒーロー"

ニコニコと微笑むあなたは気がついていなかったが、子どもである僕たちはお互いにお互いをじっ、と睨みつけた。

たぶん、あの日の僕らの目にあったのは『嫉妬』だろう。

自分だけが選ばれたのだと思っていた。

でも、違った。

あなたは僕たち子どもを平等に見ていた。

僕たちの()()を、見ていた。

 

 

 

 

僕は、あなたに見てもらいたかった。

兄弟たちの長兄ではなく、ただの"シロガネハイセイコ"として。

あなたが獲れなかった冠を獲れば見てもらえるだろうかと。

本心から、褒めてもらえるだろうかと。

そう、思ったのに。

 

『…はは、』

『、』

 

()()()()()、────シロガネヒーロー。

ギリ、と歯噛みする僕にキミが笑う。

お前にだけ独り占めさせるか、とでもいうような笑みで。

 

『ふたりとも、お疲れさま』

『ヒーローは最後まで諦めなかった。凄いね』

『ハイセイコは…いい経験だったんじゃないかな。キミのことだから慢心はしてなかっただろうけど』

 

負けることはいい経験だ。

今よりずっと強くなれる。

なんて言って僕を勇気付けるあなたに、僕は思う。

そんなこと言ったって、…あなたは、()()()は、

 

────負けたこと、ないくせに。

 

僕の、人知れずつぶやいたハズの言葉に、振り返る父さん(あなた)

そして開いた口からは、

 

『そうだよ』

 

至極当然というような、声音が響いた。





長兄:
シロガネハイセイコ(銀色のアイドル)。母父ハイセイコー。
母親から銀弾に狂わされてた子ども。
そんな母親に育てられたのでもちろん狂ってる。
自分だけが父に選ばれた!と思ってたらシロガネヒーローがやって来てハイライトオフした。
父の期待通りに【一家の長兄】として振る舞いながらも、その本心では父に自分だけを見てもらいたい。
見てもらうために三冠を獲ろうとしたらシロガネヒーローに菊をかっさらわれ『またお前か!』となった。
けど普段はヒーローと仲良し。銀弾が関わるとギスるだけ。

次兄:
シロガネヒーロー(銀色のヒーロー)。母父タケホープ。
生まれたころから長兄のライバルになることが決定付けられていた次兄。
気のいい兄ちゃんに見えてやっぱり銀弾にそれとな〜く狂わされている。けど、コイツもコイツで【銀色のアイドル】に焼かれてるんだなコレが。
なおシロガネハイセイコとの初対面は双方ハイライトオフでガン付けあった模様。
ハイセイコの対父への鬱屈具合に『う〜わ』と思いつつも結局は同じ穴の貉なので黙っている。
菊をかっさらったのは成り行きだが父に褒められる自分を見て、ダークサイドする長兄を見ることができてゾクゾクした。
だってアイドルの闇は健康にいいもん。


僕:
シルバーバレット(お父さん)。何も知らない。
子どもを可愛がりつつ今日も今日とてマブダチのSSとレース観戦中。
僕の子どもたちつよ〜い(キャッキャッ)!
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