救えない"ヒーロー"に、ヒーローとしての意義はあるのか。
──お前を救うヒーローになりたかった。
…なんて、言えば笑われるだろうけれど。
あぁ、たしかにはじめはお前のことが嫌いだったさ。
自分を救い出してくれた"
けれど、『ふたり同室ね』と部屋を決められて、家族が多くなってきたところで気がついた。
"
俺も、他の奴らも、半月にも満たない時に察する
『とうさん、おとうさん…』
向かいのベッドでグスグスと漏らされる泣き声を聞きながら、眠りにつくのがしょっちゅう…というか、精神的にある程度いくとそうなるのか?
まぁとにかく毎日のように泣いていた。
『なんで……ぼくだって、がんばってるのにぃ……!!』
『どうして、おとうさんはぼくいがいみるの……!』
『なんで、あいされないんだよぉ……ッ!!!』
"
最初に救われたからだろうか。
「かわいそう」なぞ言えない。
その言葉は俺たちすべてにも当てはまるものだし、何より知らないフリを、気が付かないフリを…。
だから俺は、ただ黙っていた。
『……なーんて! ごめんなさい、ちょっとした冗談ですよ?』
朝になれば、いつも通りに戻るアイツを見て、毎日、ほっとすると同時に怖くなって。
いつか、いつか───取り返しのつかないことに、なる…。
「大丈夫だよ、ヒーロー」
*
救われたくなんてない。
僕を救っていいのは"あの人"だけ。
"あの人"以外に救われたくない。
それが信奉に近い、とか。
依存している、とか言われても構わないよ。
ただ僕は、"あの人"だけがいればそれでよかったんだ。
それなのに。
「……ねぇ、どうしたら僕のこと見てくれるんです?」
「貴方のためにここまで来たんですよ? 褒めてくださいよ……」
求めても、もがいても。
貴方が見てくれる"僕"は、既に形作られてしまった殻。
あの日の、無垢で、ワガママで、一心不乱に貴方を求められた
今の僕は、もう違う。
大人に近い年齢になったし、背丈も追い越してしまった。
……それに、ほら。
「でも、…あなたのせいではないですよ?えぇ、えぇ。悪いのは物分りの悪い
わるいのは、ぼく…。
「とか。…えへへ、冗談ですよ」
【銀色のヒーロー】:
シロガネヒーロー。
かわいそかわいいするけど"救いたい"って気持ちもある。
難儀。
でもこのウマも気付かないフリをしているだけなので…。
【銀色のアイドル】:
シロガネハイセイコ。
にっこり。