あの"歌"が、"
それは小さな悪魔だった。
かつては喜びをもって迎えられた仔は、今や失望をもって虐げられ。
───歌が聞こえる。
蜘蛛の巣と、ささくれだった板の感触を覚えているか?
罪悪を正義だと謳った…あの場所のことも。
『夢は必ず叶う』。
使う者が違えば、こんなにも邪悪になるのかという言葉はそうそうないだろう。
その身に欲ある限り、
悪魔の血が広がっていく。
嗚呼、まさに悪夢だろうさ!
栄華という名の足音を鳴らし、奈落へと追い立てる様は!!
『───────!!』
…………それでも、願わずにはいられないのだ。
この地獄から救い出してくれるなら、神でも天使でもいい。
どうかお願いだ……。
ここから、連れ出してくれないだろうか?
*
やぁ、顔も名前もよく知らないし、覚えていない誰かさん。
ちょっと、やり過ぎたかもしれないね。
でも、僕って存在はハジマリにしか過ぎなかったんじゃないかなぁ?
ほら、よく言うじゃない?
"坂を転がり落ちるように"って!
そりゃあ僕が最後のひと押しだったのかもしれないけど…。
「その坂を作ったのは、あなたたちだってのに」
"たったひとつ"を生み出すために、蠱毒で作った坂。
その坂は恐ろしいまでになだらかだったでしょう?…なんて。
因果応報。
人を呪わば穴二つ。
……覚悟がなかった?
まぁ、僕はただ見ていただけだけど。
そうだねぇ……。
もしもの話をするならば、こうなるかな?
「キミたちは、自分で自分の運命を決めたんだ!」ってね。
『理不尽だ』とか、『そこまでしていない』とか言われても知らないよ。
それに"親の因果が子に報い"…ってのもあるワケだしねぇ。
結局のところ、そういうことなんだと思うよ。
なので。
…うん、ごめんなさい。
謝る気はないです。
だからそんな目で見ないでください。
『みんなが"僕"という存在を忘れるまで』って、途方もなさすぎるでしょう?
誰よりも目立つのが僕だからって、それまでに忘れ去られたみんなを内包して"僕"という存在が忘れ去られるまで赦されないって。
どう考えても無理ゲーでは?
「…かわいそ」
ほら、我ながら僕の子どもってみんな優秀なモンで。
それに甥っ子とかも有名だからね、仕方ないね。
「まぁ、祈るだけは祈ってあげますよ。できるだけ、ね?」
"悪魔":
ある人々にとっては。
執念によって成された怪物。
もしくは呪いというか超ド級の貧乏神というか。
大概興味無いけど縋られたら縋られたで『しゃあないなぁ…』と思ってしまうあたり残酷。
だって実質希望じゃない?
コレがひと言『赦す』って言っただけで…さ。