さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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"自分"を見てもらえないって点では同族嫌悪的ではあるんでしょうけど…。



睨み合い 〜【銀色の王者】を挟み〜

エルコンドルパサーは、サイレンススズカのことが…言ってはなんだがあまり。

走りの面に関しては尊敬できる人だとは思っているが、ある一点においては。

 

「だァ〜!分かりました、分かりましたよ!!」

 

その茫洋とした目に光が灯るのは。

自分たちには決して向けられぬ眼を向けられるのが。

憎らしい?妬ましい?

……いや違うなとエルコンドルパサーは思う。

ただ単純に。

 

「負けたくないんデスよね」

 

そう。それだけだ。

自分でも驚くほど単純な理由だった。

だがそれが"全て"なのだろう。

汚い感情も何もかもを内包しての『負けたくない』だ。

 

「チャ〜ンプっ!」

「うおっ!?…なんだ、パサーか」

「そうデスよ〜。…あ、こんにちは先輩」

「…こんにちは」

 

気のいいクラスメイトの皮を被り、絡みに行って意識を逸らす。

当の本人は気づかないまま、バチバチと火花が散っている現状は変わらない。

 

(まぁでも)

 

それもまた面白いかなと思うあたり、自分も大概性格がイイんだろうなと思いながら。

 

 

クラスメイトであるエルコンドルパサー-本人の要望により『パサー』と呼んでいる-といつの間にやらニコイチみたく過ごすようになって少し。

【金色旅程】先輩はその様子を見て、それとなく助けてくれるので有難いが。

 

「こんにちは。ねぇ、チャンプくんを借りていいかな?」

「チャンプはモノじゃないデスよ?」

「それは、キミも同じだろう?」

 

俺を挟んで、バチバチと火花を散らすエルコンドルパサーとサイレンススズカ(ふたり)

最近はこの光景にも慣れてきた。

なんというかもう日常の一部みたいな感じになっているからだろうか。

ちなみに俺は今、廊下にてぼうっと立っているのだが……。

右にはエルコンドルパサー、左にはサイレンススズカ。

両サイドからの圧が凄まじく、居心地が悪い。

 

「…」

 

チラ、と傍を歩いていたクラスメイトたちに『助けてくれ』と視線を送るもスペシャルウィークはニコリと笑うだけだったし、グラスワンダーは静かに十字を切ってきたし、セイウンスカイは『ご愁傷さま〜』というように手を合わすだけで。

 

「…もう行かないと授業に遅れる、」

「キング大明神!!!!」

「ああもう!暑いから抱き着かない!!」

 

流石キングヘイロー!

キーング!キーング!!サイコ〜!!

ほら、あなたも『キングサイコ〜!!』と叫びなさい!!(混乱中)(お目目ぐるぐる)

 

「…………」

「…………」

 

そして何故か無言のまま睨んでくる二人。

えぇ……?何これ怖いんだけど。

誰かヘルプミー。

 

「……さて、それじゃあ」

「ちょ、ちょっと待って下さいキングヘイロー様ァ!?まだ話は終わってないっぽいんですがァ!?あ゛ーっ!お客様!?お客様困りま…ヒエッ」

 





【怪鳥】&【異次元の逃亡者】:
エルコンドルパサー&サイレンススズカ。
バチバチ。
表情は笑顔なのに目は笑ってない。
そして根本的なところには気づくことがない【銀色の王者】サンェ…。
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