さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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美少女受肉した実父に振り回される産駒たちェ…。



『もう二度と』と、ほくそ笑む

父さんが亡くなった。

大往生中の大往生ではあったが年老いてなお『伝説』と謳われ続けたウマの死はいろいろと大きな波紋を及ぼした。

まず、絶対王者がいなくなってしまったこと。

当然だ。

競り合っていた親友が保持していた座を半ば引き継いだ形になった父はずっとその座を守り続けて。

子どもである僕たちももちろん父と同じ仕事をしているけれど足元にも及ばなくて。

いつか超えてやると意気込んでいた父はもういないのだ。

でも、これは僕らがなんとかしないといけない問題でもある。

だって僕らは、あの父に育てられたんだから。

僕たちがしっかりしなければ続くものも続かない。

そうやって気合いを入れつつも次から次に来る問題は山積みで…と頭を悩ませていたある日。

 

「父さん、これからウマ娘として生きていくから!」

「…は、?」

 

父が帰ってきた。

それも"ウマ娘"だとかいう美少女になって。

 

「……いやいやいや!どういうこと!?」

「そのままの意味さ!今日から父さんはウマ娘として生きてくんだ!」

「何言ってんの!?頭おかしくなったの!?」

「酷いなぁ……。僕はいたって正気だよ?」

「だから余計に…あ゛あ゛あ゛!!」

 

ワケの分からない事象に呻く僕の声を聞いて"きょうだい"たちがどうしたどうしたとやって来る。

そして美少女に受肉している父を見ては唖然としたり着せ替え人形にしたり…。

カオスすぎる空間の中、父だけはニコニコとしていた。

…………本当に大丈夫なのか?このウマ。

 

 

それからしばらく経ってようやく落ち着いたころ。

父の話を詳しく聞くことにした。

 

「つまり……あの、彼岸に渡ったあとに三女神?だか何だかに会って魂がチューンナップされて…?」

「そうそう。それでウマ娘の肉体に押し込められたんだけど…隙をついてコッチに来ちゃった。テヘッ!」

 

…………うん、ダメかもしれない。

 

「まあまあそんな顔しないでよ〜。父さんが戻ってきたんだよ?しかも美少女になって!」

 

悪びれる様子もなくケラケラ笑う父の姿には一周回って呆れてしまう。

……というか仕草も少し変わってないか?

それにしてもなんだろうコレ。

ツッコミどころしかないんですけど。

ああもう頭が痛い。

とりあえずは…。

 

「父さん」

「ん〜?」

「家から、出ちゃダメですよ」

「…?どうして?」

「そりゃ父さんがウマ娘なんてトンチキになったからですよ」

 

そしてソレに加えて……なのだから。

利用価値など在るに有り過ぎる。

しかも肉体年齢的にめちゃくちゃ若いっぽいし。

 

「だから、約束守ってくださいね?」

「…はぁい」





僕:
シルバーバレット。
何だかんだあって美少女の体に受肉した。
そしてその体は本格化前の若い体なので…ね?
利用価値というかなんというかが…ハイ。
なのでバレないように家に隔離されるというか…。
いや、仕方ないんですけどね!

家族:
父が美少女に受肉して帰ってきた(白目)。
これから必死に美少女化した父を守っていくが、それはそれとしてウマ娘の世界に快く送り出してくれるかは…?
まぁ何だかんだ言いながらもファザコンの集まりなんでね!(ニッコリ)
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