さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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なんかこのコンビはこういう感じに暮らしてるのが似合うよね、って。



うだる夏と

目を覚ますと眼前に友人がいた。

ある暑っつい日差しの午後のことである。

 

「…どうしたんだい」

 

ぽす、と頭を撫でる。

触れ合った肌が熱く、垂れてきた汗がふたり分混じり合う。

 

「…………」

 

無言のまま。

その瞳はどこか虚ろであるようにも見えるし、ただひたすらにこちらを見つめているだけのようでもある。

 

「ねぇ、大丈夫?」

 

そう言って肩を揺さぶるとようやく我に帰ったようで、「お茶取ってくる」とだけ言い残して奥に引っ込んでいった。

だがそれきり戻ってこないため、様子を見に行くことに。

 

「カツラギ」

「んー」

「あ、どうも」

 

ガラスのコップが汗をかく。

手のひらを通して伝わる冷たさに心地よさを感じながら一口含むと、少しキン、とした液体が流れ込んできた。

 

「冷たい」

「そりゃあなぁ」

 

ぺた、と頬を撫でられるのにゆるりと瞬きする。

暑い暑いと言うクセに、その手つきには涼しさがあった。

 

「なんだ? 今日はずいぶん甘えてくるね」

「……別にいいだろ」

 

拗ねるように唇を突き出す。

まるで子どものような仕草に思わず笑みを浮かべてしまえば、それが気に食わなかったのか今度はカリ、と首筋を爪先が撫でて。

綺麗に整えられているその感触に、ふむ、と内心ひとりごちる。

 

(随分とまァ、気合が入っていること)

 

互いに結構不精ながら、こうやって身なりを整える時はだいたい何かを楽しみにしている時。

気がはやるというか、ソワソワしているというか。

そんなことを考えていれば、不意打ちのようにグンと首元を引っ張られる。

 

「なぁに?」

「…日焼け止め、塗っとけよ」

「分かってるよ」

 

 

夏祭りというのも昨今は珍しいのではなかろうか。

子どもも少なくなってきているし、何より祭りを行う場所がそう…。

その時勢でも我が家の家の近くの神社では毎季、祭りが行われており、祭りが近づくと太鼓や何やらの音が微かに聞こえてきて。

それはもう風物詩としてすっかり馴染み深いものとなっていたのだが、今年はそれに加えて花火が上がるらしい。

それを耳に挟んでからというものの同居人がそわそわしっぱなしで、とうとう我慢できなくなったらしくこうして連れ出された次第である。

 

「おぉ~……」

 

人気のない場所でふたり座って空を眺める。

こんな小さい町だがそれでも花火を見にそこそこの人が集まっているみたく。

 

「すごいねぇ」

「そうだな」

 

ザワザワとしたざわめきを耳に入れ、はらはらと散っていく火花を見上げつつ呟けば、隣からも同じように言葉が返ってきて。

ただそれだけのことなのに妙に嬉しくなっていれば「今ので終わりだな」と声が。

 

「じゃ、帰るか」

「りょーかーい」





ふたり:
シルバーバレット&カツラギエース。
何やかんやあって素朴な小さな町でふたり暮らししている。
もしかするとわらしべ長者的なノリで家をもらったのかもしれない。
また近所の子どもたちに乞われ、走り方を教えているようだ。
なおその同居関係を周りに伝えているかは…?
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