ヒーロー然としているけど重いものは重い。
正義と悪があるのなら。
大体は悪が正義に倒されるのがオチだ。
「そうは、思わない?」
戯れに、ゴロンと転がりそう問うと、ひどい顔をされてしまった。
まるで路傍に転がる石を見るというよりも幾倍もひどい顔である。
いつも穏やかな笑みを形作る唇はキッ、と真一文字に結んでいて、眉間には深いシワがくっきりと刻まれている。
その表情でキミは言ったのだ。
「そんなわけない」と。
思わず目を見開いてしまったのは仕方ないと思う。
だってそれは、僕にとって初めて見る友人の感情だったから。
怒りでも悲しみでもなく、何と表していいのか分からない顔。
ちょっとした例え話だというのに、それがもはや決定づけられた事項とでも言いたげに自分を見下ろす目は、【
「あ、そういえば」
「…なに」
「世界を救った勇者様が次回作とかで悪の親玉になってるってのも、あるにはあるよね」
咄嗟に口から出た言葉は「ははは…」と漏れた乾いた笑みで台無しで。
案の定というか、友人は呆れたように溜息をつくだけだった。
「…………ねぇ」
「はい」
「もう寝たら?」
「えぇ~まだ眠くは、」
「…寝た方がいいよ。キミがそういう突拍子もないことを言い出す時は大概寝不足とか変にハイになっている時だから」
「…、」
「まぁ」
「ん?」
「キミが望むなら、善でも悪でも…」
どっちにでも、なってあげるけど?
*
キミがあんな目をするから、そうなったに過ぎないのかもしれない。
ずっとキミが、『憧れのヒーロー』とでもいうかのような顔をしていたから。
(……なんて)
バカげた考えだと、自嘲気味に笑う。
どうせキミのことだろうし、次の日には忘れてるに違いない。
……覚えていたとしても、また同じような問答を繰り返し、同じところで終わるだけ。
キミが望むから、『やさしい人』のままでいる。
だって『こんなの【英雄】じゃない!』って言われると思うと流石に堪えるもの。
別に僕自身はどっちでもいいけれど、望まれれば応えたいと思ってしまうくらいにはキミのことを気に入っているんだろうね。
「さすが!」
キミになら、そう褒められるのも悪くない。
きっとキミが望むなら、僕はこれから先も変わらないままだ。
「いやぁ〜、ホントにかっこいーねー。みんなに人気者だねぇー」
「…またおかしくなってるね」
「おかしくなんてなーいー!」
「はいはい」
ハイとローがガチャガチャ切り替わって。
危なっかしいと思うものの、僕さえ傍にいれば落ち着くらしいので。
「今日は、ハンバーグが食べたいな」
「…!分かった!」
【英雄】:
ふわふわとグチャグチャを繰り返す、やっと
【銀の祈り】:
シルバープレアー。
ハイとローの差が激しい。レバガチャ。ガチャりすぎてレバー壊れそう。
生活面で甘やかしているのは自分だがその代わりに精神面をたいそう全肯定Botされている。
なおこいつもこいつで全肯定Botだからな…。