さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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生存軸ならギリギリ会ってんじゃね?という考えからの産物。



慈しんで、"星"は在り

「大伯父さま、産まれましたよ」

「おぉ!」

 

少しばかりは仕事をしながらも、どっちかというとロッキングチェアをガウンガウン揺らしたり、ボードゲームで幼子たちをギャン泣きさせることの方が珍しくなくなったある日、やって来た若人を僕は迎え入れた。

 

「ちっちゃいねぇ、かわいいねぇ」

「ありがとうございます」

 

ふくふくとしたほっぺをツンツン、とつつくとグアッ!と開いた口にバクンッ!と食いつかれる。

でもまだ歯は生えてないみたい。

 

「アッ、こら!」

「いやいや、ダイジョーブだよ〜。元気なのが一番だもん、な〜?」

「あぶ!」

 

やーなの、やーなの!みたくジタバタする体が落ちないように何とか抱っこしてあやす。

するとまたすぐに機嫌が直ったのかキャッキャッ!とはしゃぎながら僕の指に噛み付いてきたり、髪の毛を引っ張ってきたりとやりたい放題である。

……まぁそれも可愛いんだけどね?

 

「それで、名前は決まったの?」

「ええ。この子は───」

 

 

「…うげ、」

 

帰省がてら掃除を頼まれて、これはいる、いらない、分からない、といった風に物品を分けている途中で見つけたアルバム。

パラパラと捲ると俺の成長記録だと分かったソレは一番初めのアルバムなのもあってページの色が日に焼けていた。

それはそれとして。

 

「会ってたのかよ」

 

写真に映るのはまだ若いころの両親と赤子の俺。

それと───亡くなった今も事ある毎に語られる、ウチの系列の原初。

この頃は亡くなった時の日付から考えるに晩年も晩年といったところだが、写真に映る姿はそうとは思えないほどに若々しい。

 

ヒトがいうには。

俺付近の世代が、原初に会うことの出来た最後の世代だという。

だから俺は原初の人となりをよく知らないし、知れたとしてもそれは他人のフィルターが入ったものだ。

それでもただ一つ言えることは、あの原初というのは間違いなく"化け物"だということだけ。

 

「…………」

 

おだやかな笑み。

画面の中にある苛烈さと見比べると、思わずバグってしまいそうになるくらいに穏やかすぎる表情。

目は髪と瞼のために見えない。

でも。

 

「体が厳つすぎる…」

 

どこからどう見ても筋肉でしっかりしている腕。

そして何より目を引く、しゃんとした姿勢。

 

「この年齢って…フツーこんなんだっけか?」

 

そう言えば原初って、鍛え直せばターフに戻ってこれるとか何だとかみたいな与太話がなかったか。

それに年老いてもトレーニングだけは欠かしてなかったって…。

 

「…あの規格外め」





原初:
年老いてんのに体が厳つすぎる。
系列に赤ちゃんが産まれたらだいたい抱っこして写真〜みたいなことになってそう。
でも赤子の生まれた順に写真を並べても外見があまり変わってないんだ。
それで変わってるのは髪の長さや色ぐらいじゃん…ってドン引き受ければいいと思うヨ。

───ふくふくしてかわゆいねぇ〜♡(ゲロ甘顔)
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