さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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おちろおちろと、願うのです。



浮かび、たたずむ…

世界を覆し、自らの存在をくべて、"星"になったアナタは。

今でも気が遠くなりそうな時間をかけて、"星"に届く誰かを待って、眠っているのだろうか。

 

"星"へ至るために、自分には不相応のアレコレを受け取る。

アナタの名のもとに、アナタの名のもとに。

アナタに『夢』を見て、アナタに『絶望』した誰かの(コト)を。

 

アナタが積み上げ、紡いだソレを。

自分は引き継げるだろうか、と思いながら進む。

アナタよりもずっとゆっくりに、追いつけずに止まって、足踏みして。

進まなくちゃいけない、と思うのに止まってしまう脚を『進め』と殴りながら。

 

善意で舗装された【期待(じごく)】を往く。

アナタに、ならなくちゃ。

 

 

揺らいでばかりの線だ。

真っ直ぐなんて何処にもないし、一定の形もない。

████████(アナタ)に比べてしょぼくない?』の言葉も、遠に聞き慣れて、聞き流して。

アナタに自分が憧れたように、自分も誰かの憧れになりたくて。

ただ、それだけの。

 

短い話だ。

只人が"星"になれる道理もなく、また世界を覆すことなぞ───できるはずもない。

それでも、薄れ、掠れた"(かげ)"を追う。

 

自分は"星"になれぬ只人だ。

幼いころの、夢も希望も亡くした、ただの殻。

なればその殻に【期待(じごく)】という役目(おもり)を詰めればいい。

"星"になれぬなら、なれぬなりに惨めったらしく地に這いつくばって。

「それでも」と、"星"を乞うてやろう。

 

「落ちろ、堕ちろ、墜ちろ!!

 

乞い、願って───。

 

 

"星"は、ただ佇んでいる。

何処にも行くことなぞできず。

くるりくるりと決まった道筋を辿るように。

時たま偶然で、()()()()()はあれども基本的には漂うのみ。

"星"に、意思はない。

故に、願いを聞くことはないし応えることもない。

それは、かつてあった"誰か"の在り方と違うのだけれど。

それでも、いつか誰かが辿り着くかもしれないから。

そう思い、そう考えて、ただそこに在り続ける"星"。

そんな、"星"の話。

 

 

 

 

───……ああ、そうだなぁ。

お前さんにはきっとわからんだろうさ。

これは俺たちだけの物語だから。

俺たちだけが知っていればいいことだから。

誰にも教えず、語らず。

墓まで持っていく"おとぎ話"だ。

だから。

 

───邪魔しようとか、…考えるんじゃねェぞ?

 

ありゃあ、俺たちの"星"だ。

俺たちの、"しるべ"だ。

どこであっても光り輝き、希望であり絶望の。

俺たち、の……。





"星":
吉兆であり凶星。
今日もキラキラ光っている。
普段は漂っているだけだが、時折()()()()と現れるらしい。
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