さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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頭発火しそうなくらい撫でてきそう。



大おじさんと【銀色の激情】

「や〜、久しぶりっすねェ。オレの可愛いアウト〜!!」

「うおっ!?…え、ぁ、お、大おじさま?」

「"大おじさま"!?なんでっすか、これぐらいちっちゃな時には『おるへ』って呼んでくれてたのに!!」

「そんなの子どもの頃の話だし、子どもの頃であっても俺そんなに小さくなかったよ!!」

 

ジェスチャーで示された小ささが親指と人差し指で幅を取ったものだったので流石に言い返すシルバアウトレイジ。

前に会ったのは学園入学前の新年会であった久方ぶりの大おじに驚きながらも挨拶を済ませれば、今度は「久しぶりに!大おじさんが!奢ってあげるっスよ!!!!」と、あれよあれよという暇もなく連れて行かれた行きつけの店の個室でふたり、ちょいちょいと話しながら食事をする。

 

「アウトも入学前よりはデカくなった?」

「んぁ?…あぁ、多分?」

「多分かァ」

「だってあんま測らねぇもん……」

「アウトらしいっスね」

 

ケラケラと笑いながら飲み物を呷る大おじに、シルバアウトレイジは『飲んでんのソフトドリンクだよな?』と考えつつ。

しかしそれにしても随分と上機嫌だなと思いながら自分も料理に手を伸ばす。

 

 

(本当に、アウトは可愛い)

 

そう思うのは大おじの欲目か、それとも。

かつて、憎らしいほどに晴れやかに、己に背を向けて去っていった男と自身の全兄の娘との間に産まれたこの子-シルバアウトレイジは何故だが、幼い頃より大おじである自分-【金色の暴君】にそれはそれは懐いた。

舌っ足らずの愛らしい声で『おるへ』と呼ぶ姿には思わず頬ずりして抱き締めたくなって困ったものだ。

そして今もまたこうして対面に座って食事をしながら楽しげに会話をしている様子などもう堪らない程に可愛くて仕方がない。

……ただひとつ、気に食わない事と言えば。

 

「それでさー、その時【飛行機雲】の奴が〜」

 

ヤレヤレという顔ながらも、受け入れている顔で仲良くなったのだという後輩-【飛行機雲】のことを語るシルバアウトレイジ。

その雰囲気は柔らかく、親愛の情を感じさせるもので……それがどうにも面白くないのだ。

 

「……ところでアウト」

「はい?」

「そろそろ敬語外してくれても良くないっスかねェ〜?」

「無理です」

「えぇ〜!?いいじゃないっスか、俺とアウトの仲なのに!!」

「だ、ダル絡みやめろ!もういい年だろアンタ!?」

 

やいのやいのしながらも頭は際限なく撫でさせてくれるのだからやさしいところに変わりはない。

故に。

 

「名前、名前だけでも!」

「…【金色の暴君】サン?」

「ちッッがう!!」

「……めんどくせ〜」





【銀色の激情】:
シルバアウトレイジ。
幼いころから大おじさんに懐いているけど、ある程度の年齢に成長した今となっては相変わらずの溺愛ぶりな大おじさんにタジタジ。
けど普通に誘われたら食事に付き合うし、それとなく(祖父に頼まれたり何なりで)世話を焼き始めたりするかも…?

【金色の暴君】:
【銀色の激情】の大おじ。
【銀色の激情】のことを溺愛している。ので、最近【銀色の激情】と仲がいいらしい【飛行機雲】にちょっとムッとしているとか。
…まぁ、【銀色の激情】・【飛行機雲】の親のことを考えるとそうなるのも仕方ないというか、……ハイ。
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