さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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なお、お前が元凶定期。



空気ェ…by.【銀色の激情】

大おじさまが部屋に来てくれていて。

その折に、いつも通り遊びに来た後輩と鉢合わせた。

まぁ、同じ三冠バであるから交流なり何だりあるだろうから特段問題はなかろう…と思っていたのだが。

 

「「……」」

(…空気が死んでら)

 

俺がお茶なり茶菓子などを渡せば声を出してくれるのだがそれ以外はとんと。

ただひたすらの沈黙があって、睨み合いが続いている。

そんな状況で俺はどうしたらいいのか分からずただただ困惑するばかりであった。

ちなみに後輩は終始笑顔のままであり、それがまた怖い。

 

「あー……えっとな?二人とも?」

「はい」

「なんスか?」

「とりあえず落ち着いてくれやしないですか…ねぇ?」

「落ち着いてだなんて」

「俺たちは落ち着いてるよ?ねぇ?」

「はい」

「……」

 

ど こ が ?

思わず口から出そうになったもののぐっと堪えてなんとか平静を装う。

だがしかし、この二人の威圧感というか殺気にも似た何かは凄まじく、正直部屋から出たくなった。

……いやまぁ、そもそもの話として出ていくも何も俺の部屋なんだが。

 

「なァ、アンタら」

「ん?」

「なんでしょう」

「どうしてここにいるんですかねぇ?」

「それはもちろん」

「先輩に会いたかったからです!」

「……」

 

うん、予想通りというか。

前ふたりを見かけた時、こんなにピリついてたっけな?と記憶を掘り返してみたが特に思い当たる節はない。

じゃあ一体何故なのかと考えたところで答えなど出るはずもなく、早々に考えることを放棄した。

それにしても、わざわざ会いに来るとは。

…慕われていると、考えていいのだろうか。

 

(とりあえず、メシの準備でもすっか)

 

 

そうだと知る前なら、まぁ極々普通の関係性を保てただろう。

だが、"あのウマ"が関わっているなら話は別だ。

 

"シルバアウトレイジ"

 

ちょっと皮肉屋だけれども、やさしいウマ。

自分にとってはかけがえのない存在。

そしてそれは、きっと向こうも同じ気持ちだと思う。

だからこそ、相容れないのだ。

 

───あの()は、自分さえ見ておけばいい。

 

そう思うようになったのはいつからだったろうか。

初めて会った時からどことなくそう思っていた気持ちが、ぶわりと表出して。

ジクジクとこの臓腑を焼く。

そんな感覚を覚え始めたのは、いったいどこからだったろうか。

 

「……おい、大丈夫か?」

「大丈夫です」

「だいじょーぶ」

 

心配そうな顔を浮かべながらこちらを見る姿に笑みを作って返す。

本当に自分はどうしてしまったんだろうと自嘲気味になりながらも、止まれなくなっているのを自覚する。

 

───嗚呼、どうしようもない!!





【銀色の激情】:
シルバアウトレイジ。
分かってない張本人。
ピリつく【金色の暴君(大おじ)】と【飛行機雲(後輩)】を見ながら料理したり細々…。
まぁ喧嘩しないならいいか…のスタンスともいう。
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