さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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"ヒカリ"を、みている。



巡り回って、至る

キミの眼を奪っていった"ヒカリ"が、嫌いだ。

キミが、その人のことを尊敬していたのはよく知っている。

兄の親友なのだ、と語っていたのをよく、覚えている。

 

「久しぶりっスね〜、シオン

 

引退して随分と。

見たことないくらいに満面の笑みを浮かべたキミが、その腕に抱く子を見て人知れず固まる。

 

「オレじゃなきゃヤダ〜!って言うから〜!!うりうり」

 

その腕に抱かれた子は…どこか、似ていた。

キミの眼を奪っていったあの"ヒカリ"に。

……そして、キミ自身に。

 

───また、奪うのか。

 

僕は、キミだけしか見ていなかったのに。

誰も見ないあなたたちが、()()

僕の『願い(ゆめ)』を遮るのか。

僕だけの、世界を壊すのか。

 

「おーい?どうしたんスか?」

 

そんな声も聞こえないままに、ただ、その子を見つめていた。

…あぁ、やっぱり似ている。

この子が、あの人に。

ギラギラと燃え盛るような眼はキミそっくりだけど、それ以外は。

匂いのない空気。

まるで、掴むこともできないまま去っていく風に似た…。

 

 

───この子なら。

 

思っては行けないことを、思ってしまったと、理解している。

終ぞ、自分を見てくれなかった"あの人"を重ねていると、分かっている。

 

兄の親友。

それでいて…"初恋"、みたいな人だった。

それほどまでに鮮烈で、我を忘れてしまいそうなほどに綺麗だったのだ。

でも、それでも。

夢見(願わ)ずには居られなかったんだ。

 

「にーちゃ」

「兄ちゃんっスよ〜」

 

ぽてぽてと走り寄ってくる、かよわい体を抱きとめる。

無垢な子、まっさらな子。

 

「……」

「にーちゃ?」

 

小鳥の刷り込みのように、なればいいのに。

感情というのは、こんなにも肥大するものかと自分で自分を嗤えないくらいに、歪んでしまった。

 

「ねェ、レイ」

「なぁに?」

 

だから。

これは、───『()い』だ。

 

「にーちゃんだけを、…ずっと」

「…?」

 

今でも思い出す。

前だけを向いて、俺を見てくれなかった"あの人"。

この子の…父親。

俺のやわらかいトコロを、踏み躙った"あの人"。

けれども。

 

「……」

 

まぶたの裏で、瞬く"ヒカリ"が止まない。

極彩色に煌めいたかと思えば、ソレを集約して、美しい白銀になる。

すべてを焼き尽くす"ヒカリ"。

焼いていくままで、誰も救ってくれない───【銀の祈り】

 

救われたかった、ワケじゃない。

ワケじゃない…のに。

 

「にーちゃ?」

 

重ねる。

重、なる。

重ねてしまう。

こんな幼子に、押し付けて、押さえ、付けて。

 

「…オレだけ、を」





【銀色の激情】:
シルバアウトレイジ。
親が成した業が襲いかかってくる系ウッマ。
まさか自分が親由来のグチャドロ感情向けられてるとは思ってないので今日も仲良く【飛行機雲(三冠バ)】と過ごしている。
また目の感じは金系列のようだが、雰囲気は銀系列似らしい。
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