───アハハ。
ぐちゃぐちゃと音が聞こえる。
自身の体を這い回り、けれども自身を害する意思はないと明確に伝えてくる"ナニカ"。
臭うのは名状しがたいモノ。
普通に生きていくだけならそう嗅ぐこともないだろうほどの…。
眠っている。
眠っている、…はずだ。
しかし自身が知覚しているソレらはあまりにもゲンジツテキで。
……夢だと言い切るにはあまりに生々しかった。
(……)
目が覚めたらいつもの部屋だった。
だが体には"触れられた"という感覚がハッキリ残っていて。
『気持ち悪い』というよりかは、折り重なり、積み重なった山から這う這うの体で逃げ出してきた、時のような。
そんな。
グズグズに溶けた汚泥のような
手が、這う。
祈るか、はたまた、その手のひらから自身の力を注ぎ込むように。
眠る、眠る。
蛹が外を見ることを許されないように。
眠る。
"声"を聞きながら。
聞こえているようで、その実よく聞こえない"声"。
けれども、"声"は。
たしかに。
己が、
───産み、落とされるのを。
*
産まれて、落ちて、積もって。
折り重なって、堆積して、混じりあって。
自分が自分じゃなくなって、分からなくなって。
それでも、ただただ
墜ちろ墜ちろと
混ぜて、合わせて、孤独では、なくなって。
そうして。
───オチてきた。
けれど。
ソレは、沈ませるには
だって、キラキラと輝いていた。
だから。
だから。
だから!!!!
だから!!!!!
だから!!!!!!
押し上げた。
グイグイと、沈まぬように。
支えて、持ち上げて、押し留める。
そして。
「……?」
目を開いたのだ。
ソレらは歓喜した。
やっと会えた、
ずっと待っていた、この時を。
すべてを
泣き声が止む。
うめき声が止む。
それはまるで、『救い』とやらいう三流品が来たときのごとく。
───救世主サマ?
…いや、そんな大層なモンではない。
またそんな陳腐なモンでも、ない。
【ぜンぶ、こワしtE?】
*
想いのチカラというのは、時に莫大な影響力を持つ。
足りないあと一押しとか、そういうレベルの話ではなく。
ならば、それは。
「負の感情も、有り得るよなぁ」
正しければ、いいという訳でもなくて。
時には。
時には、"負"の方が、ずっとずっと。
「ほら、カミサマってヤツと同じだよ」
恐ろしいから、祀るのだ。
恐れられるから、
「『強い』のさ。ね、」
──ソレ、アンタらはよく。
「知っている、でしょう?」
まぁ、憐れみなどないけれど。
蠱毒の塊、かの███から形作られたもの。
それは、世界を塗り潰すほどに。
焼き焦がし、灰燼に帰するほどに。
───とか、ね?