さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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そして求めよ。



愛を乞え!

「僕が欲しいってんなら、もっともっと求めてよ」

 

形振り構わずに、一心不乱に。

猫被りなんていらない。

言葉だけなんて疑わしいばかりだから。

もっと強く、激しく、貪欲になってくれなきゃ困るんだから。

そうされてこそ、求められ甲斐があるってものである。

 

昔から血筋柄、そういったことが多かった。

どことなく他人を惹き付ける雰囲気、見た目、または話し方…そんな"ナニカ"を有しているらしい一族に列なる僕は、そういう目で見られることが多いのだ。

それはもう仕方のないことだと割り切っているし、慣れたつもりだけれど……それでもやっぱり少しはイラつくこともあるわけでして。

まぁつまり何を言いたいかと言いますとですね?

僕のことを()()()()()()んですよ。

物心ついた時から尊敬する父母の出会いの話から今現在に至るまでの仲良しっぷりを見てきて!

そして、その両親譲りの容姿やらなんやらを受け継いでいるこの僕が!!

それでいて尚も、誰も求めてくれないというのは……ちょっと寂しいというか悲しいというか……。

あー、うん。

なんかごめんなさいね。

 

「僕、そんなに魅力ないかなぁ…」

 

まぁ、豆粒ドチビではあるけどね…。

……トホホ。

 

 

欲せよ、さすれば与えられん。

まるでそんな言葉のように言い放たれた言葉に青天の霹靂にあったのはもはや両手の数では足りなかった。

「『愛』っていうのは綺麗なモノじゃないでしょう?」と微笑む姿はいつもの穏やかな雰囲気とは打って変わってとても妖艶で美しくて、思わず見惚れてしまうほどだった。

しかし、それと同時に酷く恐ろしい存在にも思えた。

だってそうだろ?

自分が求めるものを得るためなら手段を選ぶなとでも言うように、自らを差し出すような言動をする。

それも、無意識なのか意識的なのかは定かではないが、終着(執着)の行き着く先がどうあれ受け入れる覚悟すらできているかのような口ぶりだった。

それはもう一種の狂気であると言っていいだろう。

そのことに気付いてしまった大勢は背筋が凍るような感覚に襲われながらも、ぶるりと身震いすることしかできなかった。

 

その日から、表立って、裏立って。

アプローチする者が増えた。

今までは遠巻きに見つめているだけだった者たちまでもが我先にと手を伸ばしてきたのだ。

もちろんその勢いが強いのはいつものメンバーであるのだが……それに関しては割愛するとして。

 

「たくさん、たくさんたくさん!」

 

────僕が欲しいって言ってくれたなら、

 

「考えてあげる…かもね?」





僕:
シルバーバレット。
父母の仲良しこよしを見て育ってきたので「大人になったら父母みたいな関係になれる人と暮らしたいな〜」みたいなどこかアバウトな感情がある。
また母譲り…というか一族譲りの愛の重さがあるので、その愛に耐え切れるorそれよりも愛が重い人じゃないとダメだよな…くらいの考え。
煽るな煽るな。
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