さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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傍から見ると…ねぇ?



名門レース教室であるのは間違いではないんですけど…。

シルバーバレットは悩んでいた。

何年経っても減る気配のない自身の資産に…。

 

いや、大多数の人々からしてみれば羨ましくて仕方のないことであろう。

だが張本人であるシルバーバレットにとっては…あまりにも『悩みのタネ』で。

 

「だって寄付もお断りされちゃったし〜!?子どものための資金ってだいぶ余地多めにとってもまだいっぱいあるしぃ…」

 

言うなれば:黄金律EXなシルバーバレットには、ただ普通に生活しているだけでもわらしべ長者的に、または倍倍ゲーム式に金や、金がダメなら色々な品物が入ってくるのだ。

もちろん、その分だけ仕事も増えていくわけなのだが……。

 

「あーもう!こうなったらいっそ、世界中を回って困っている人を助ける旅でもしようかな?!」

 

そうすればきっと、このお金も使い切ることが出来るだろう。

…しかし。

そんな夢想をしていると、シルバーバレットの頭の上にピコンとピカピカな電球が。

 

「あ、そうだ。」

 

───レース教室、つーくろっと!

 

 

『Sドリーム・レーシングクラブ』というレース教室の名門がある。

歴史としてはまだ浅いレーシングクラブだがその躍進は凄まじく、トゥインクルシリーズの人気選手を見てみれば、その過半数が『Sドリーム』出身だというのはザラで。

…だが。

 

聞くに、『Sドリーム』は往年の名バ(海外G1レース勝利経験有り)が生徒たちに苛烈なトレーニングを課している。

聞くに、『Sドリーム』には最新のレースなりリハビリなどの最新機器がこれでもかと揃っており、それを含めクラブ卒業まで指導料無料の代わりに、出世払いを強要している。

聞くに、聞くに、聞くに…。

 

「そんなことしてないってばぁ!!」

 

嫌でも耳に突っ込まれる噂にシルバーバレットが頭を抱えたのは言うまでもない。

あの日より、シルバーバレットは『Sドリーム』…またの名を『シロガネドリーム・レーシングクラブ』を運営し始めた。

自費でトレーニング機器から練習場まで誂え、『後進育成のためなら』とクラブ費を全額無料(それにはレースの登録料や遠征費用、病院の受診費、その他入り用のユニホーム・蹄鉄なども含む)にし、「このクラブに入りたい」と子どもたちが言えば、その家庭の資金力や家庭環境関係なく受け入れた。

そして、来る日も来る日も子どもたちに熱心に向き合った(しかし指導の部分だけは実子たちに取って代わられた。曰く、『父さんが走ると(色々な意味で)シャレにならない』とのことで)。

…故に。

 

「払わなくていいんだよ〜!先行投資ってヤツなのに!!」

 

通帳がすぐなくなるくらいの頻度でかつての生徒たちから送られてくる会費に、シルバーバレットは再び軽く泣くことになるのだが……。

それはまた、別の話である。





『Sドリーム・レーシングクラブ』:
正式名称は『シロガネドリーム・レーシングクラブ』。
実態は銀弾の道楽兼資金減らしのための後進育成所。
銀弾本人としては『未来への投資!』としてクラブが使う土地を整備するわ、最新機器揃えるわ、それも含めてクラブ費が無料だわでヤベェ(ヤベェ)クラブ。
そして、生徒たちが「入りたい」と言えば良血であれ零細であれ、脚の強度・虚弱体質関係なく受け入れるし、矢面に立って生徒たちを守ってくれる系クラブ主と貸す。
なので生徒たちはみんながみんな銀弾に脳を焼かれ(恩を感じ)ているのでトレセン学園入学後に「受け取れっ!」とかけてもらった資金を返すように入金する。
なおその分を払い終わっても払う生徒もいるとか…?
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