さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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裏からじゃなきゃどうにも出来ないモノもあるって話。



トレセン学園の『裏番』

大体のことは"あの人"に感謝しているが、この件に関しては今となっても『嵌められた』と内心思っている。

 

「はァ、」

 

元々、"あの人"が締めていたある種一大勢力は今の今でも一大勢力のまま。

"あの人"から頭目の座を引き継がされた自身の言うことしか聞かない狂犬(ウマだが)共の集まり…。

 

「あの大犬が面倒見てンのはアレらと比べて良い子ちゃんばっかだよ。分かンだろ?───若獅子」

「えぇ」

 

座り心地しかよくない生徒会室(へや)の中でガリ…と大して美味くもない人工甘味料の棒飴を噛み砕く。

 

「ま、でもアレはあれで使い道があるンだけどな」

「……"あの件"ですか?」

 

持ってきた資料をパラリ……と捲る。

そこに記されたのは、最近現れた素行の悪いマスコミの…についてだった。

 

「そーだヨ。キミも知っての通り、ウチのがちょこちょこと動き回ってンだろ? ……それは"コレ"のためってワケ」

 

まァ、アイツら僕っていう頭目がいないと何仕出かすか分からない群れではあるが一度纏めあげた際の結束力は折り紙付きだ。

 

「…なるほど」

「だからそちらサンが心配するようなコトは()ェ」

 

いきなり呼び出されたかと思えば尋問が始まるとはなァ。

いやまぁ、この立場になってからじゃあ珍しいことではないけどよォ。

 

「…………」

 

目の前にいるのはこの学園の生徒会長であるウマ。

その名は───シンボリルドルフ

 

「にしてもキミも大変だな?この仕事量をひとりでこなすのは、」

「貴方が手伝ってくれるのが一番いいんですけどね?」

「…オイオイ、前々から言ってるだろ」

 

"裏番は表に関わらない"。

トレセン学園には数多くの生徒、またそんな生徒たちを支える人々が数多いる。

で、全員が全員イイヒトだったらよかったんだが…中にはちょ〜っとこういうトコロに関わるヒトとしてはダメなのもいるワケで。

そうしたのを取り締まるのが僕が(不本意にも)頭目を務める『裏番』だ。

 

「僕はあくまで『裏方』。シンボリルドルフ(キミ)という存在(おもて)があってこそ成り立つモノ」

「……分かってますよ」

「ホントにぃ?」

 

何がどうしてそう欲しがられるのか、皆目見当つかないンだが。

確かに昔、入学したばかりのキミを害そうとしたり、キミ経由でキミの家の面子を潰そうと画策した奴らを学園からの依頼で"何やかんや"したことはあったけども…。

 

「んじゃ、ま、話は終わりだ」

「もっとゆっくりしていっては?」

「いいや、僕がいないとアイツら何やらかすか分からないんでね」

「…そうですか」





僕:
シルバーバレット。
トレセン学園の『裏番』。
慕っていたかつての先輩こと"ある人"からその座を受け継いだ。
元よりトレセン学園きっての問題児集団であるチーム:アルデバランを纏めあげているが、それよりも"裏"の者たちを纏めあげるのは僕をもってしても難しいらしく…?

"裏"の人々:
いちおうトレセン学園に在籍して走ってもいるが、どっちかというと退学ギリギリの集団。
『裏番』である僕が纏めあげることで何とか均衡を保っているし、『裏番』である僕の言うこと以外は例え生徒会長であろうと理事長であろうと聞かないヤツら。
その分集団を活かした情報収集や沈静化には一役買っているので学園も辞めるに辞めさせられないらしい。
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