似ている。
子どもが生まれた。
先輩が、忌避する
"あの
「よォ、ガイセイ」
けれども、先輩はその子を忌避しなかった。
「子どもに罪はないだろ」なんていって、大人しいながらも懐くその子を、可愛がっていた。
(どうして)
ふと、思う。
僕は先輩が忌避する"あの
忌避するならば目に入れないようにすればいいのに、忌避していると言いながらも先輩は"あの
それに気づくたびに嫌悪で顔を歪めていたから。
だから、きっとそうなんだと思っていたのに。
(そうじゃなかった?)
───コイツ、いいウマになるぜ。
そう言って笑う先輩の顔を見て、僕の中で何かが崩れた気がした。
*
「おとうさん」
ふわりと笑う顔が、ひどく心を掻き乱して。
次に「おじさん」と先輩の方に寄っていくのに、思わず引き止めそうになった。
取らないで、なんて聞き分けのない子どもの癇癪みたいで。
でも、我が子ながらその子は、シロガネガイセイは。
見たくなくても、目に入れずにはいられない光源で。
圧倒的で、魅力的で。
『強過ぎてつまらない』なんて言われながらも、それでも輝いてやまない。
…あぁ、ホント。
"あの
嫌でも先輩の目を奪ってしまう、"あの
それを幻視して、それが眩しくて目を逸らせば、「どうした?」という声と共に頭を撫でられる感触があって。
それが嬉しいはずなのに、何故か無性に泣きたくなってしまって。
気づけば、僕は先輩の手を振り払ってしまっていた。
「…【飛行機雲】?」
「……おとうさん?」
不思議そうな声が聞こえる。
けれどそれに答えている余裕はなかった。
だって、今口を開けば、余計なことまで言ってしまいそうだから。
「……ごめんなさい」
ただ一言だけ残して、その場を去ることしか出来ず。
後ろから追いかけてくる気配を感じたけど、それも無視してしまった。
取り敢えず、ひとりになって落ち着きたかった。
凪がなくては、自分が何をしてしまうかわからないくらいには動揺していて。
そんな状態で一緒にいれば、何をするか分かったものじゃないと思ったからだ。
「…………」
人気の少ない場所を探して歩いていれば、いつの間にか袋小路へと来ていて。
そこで追いついたらしい先輩に手を掴まれた。
「何があった」「大丈夫か」と問うてくる声も、もう…。
【飛行機雲】:
好きじゃない相手に我が子が似て、その我が子が先輩に懐いて、先輩も我が子を可愛がっている姿に「…」しているすがた。
情緒ぐちゃぐちゃ。
【銀色の激情】:
先輩ことシルバアウトレイジ。
"ある存在"を忌避しながらも無視できない。
血縁に比べると執着がないとはいえ、他人から見るとシルバアウトレイジも"ある存在"を見ているのだ。
【再来】:
シロガネガイセイ。
お父さん好き。おじさんも好き。
情緒がちょっと子ども。
走ってさえいれば大概機嫌がいいとか。
なので無邪気な顔でよく地雷になる。死屍累々。