お互い相手に『良い人』ができたら身を引こうと思っているけど、ひとたび疑惑が出たら「は????」ってなるんだよね。
最愛の妹がしょんぼりしながら現れた。
ので、話を聞くに後輩くんと喧嘩しては思わず飛び出して来てしまったのだという。
「だって!あの人美味しい美味しいとしか言わないんだもの!!」
「まぁ…うん?」
「気を使ってくれてるのかなぁ…?ならハッキリ言って!って言ったんだけど…」
*
どっさりと作った食事が次から次へと消えていく。
それをホッコリと、どこか満足気な顔で見遣りながらもシルバフォーチュンは内心不安に思っていた。
(…いつも美味しいって言ってくれるけど、本当は美味しくないのもあるんじゃないかなぁ?)
自分の料理の腕には自信があるし、味覚も悪くはないと思っているのだが……。
どうにもこのヒトは自分の料理を本当に喜んで食べてくれているのか、あまり表情が変わらないのもあって分からないのだ。
そうこうしているうちに食後のデザートまで綺麗サッパリ平らげられた。
そして満腹になったお腹をさすりながら「洗う」と一言告げて奥へと下がっていくのに慌てて自分も立ち上がる。
「…ゆっくりしておいてくれ」
「いえいえそんなわけには!」
止めようとしたのに有無を言わさずで。
洗い物が終わったあとはぼうっと、何を話すこともなく適当にテレビを見て、お風呂入って、寝る。
それの繰り返し。
「…フォーチュン?」
「ねぇ、」
「うん」
「私になにか…不満とか、ある?」
「……?」
「いや、ほら私って見目がいいぐらいしか長所ないでしょう?あなたが良い人なのは分かってるけど…ね?」
「……あぁ、そういうことか。別にないぞ」
「ほんとうに?」
「本当だ」
「…」
相も変わらず顔色も何も変わらないヒト。
・
・
・
…などと。
喧嘩?喧嘩…かなぁ?の話を聞き。
何気なく『今何時かな?』と携帯を取ればそこには。
「…うわぁお」
「兄さん?」
「…フォーちゃん、早く帰ってあげた方がいいと思うよ」
たぶんたくさん送られてきているんだろうなぁ、というメールの束。
その一番上に表示されているものが『どこにいるのか知っていますか?』なあたり、まだ正気はあるようだけど。
「……あらまぁ」
「これヤバくないかい?」
「…コレ、本当にあのヒト?」
「みたいだよ〜。あ、また来たね」
ポン、ポンと小刻みに送られてくるメッセージはどれも焦りに焦っているようで。
誤字脱字もところどころ…と見ていた中で、
『誰か、他に良い人でもできたのか』
「ンなワケないでしょ!!!!」
「うおっ!?」
「…兄さん」
「はぁい」
「ちょっと、連絡してくるね」
「うん、いってらっしゃーい」
【銀色の運命】:
シルバフォーチュン。
好きだからこそ不安…みたいな。
また清純系妲己というか無垢の毒牙なので人知れず守られているともいう。
けどちゃんとホワイトリリィの娘だね…ってところもある。
後輩:
ogrcap。
好きな人の前ではカッコつけたいので当バ比割増で表情が鋼。
シルバフォーチュンのご飯なら何でも美味しい。し、ナチュラルに愛が重かったりしそう。さ芦怪(さすが芦毛の怪物)。