さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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その『熱』は、どこにある。

"███()"を夢見て燃え尽きてしまった誰かと、その誰かの『熱』が好きだった誰かの話。



燃え尽きる、燃え墜ちる

遠い遠い場所に来て、"███()"を見た。

どれだけ目がよくても、見えるのはポツンと在る小さな光。

 

手を伸ばせば、掌で隠されてしまうほどの小さな"███()"に敵わなくて、届かなくて。

グルグルと、"███()"を周回軌道する衛星にすらなれない自分を恨む。

けど、"███()"に魅せられたものだから。

自分でも、自分がやろうとしていることは、残酷だって分かっていながらも。

それでも、"███()"にたどり着きたくて。

 

崩れていく姿勢。

無くなっていく体力(燃料)

まとわりつく期待とか、絶望とかそういうのを呑み込んでも、目に映るのはただ鮮やかな"███()"。

手を伸ばしても届かない。

夢見ても、届かない。

ひどくキラキラ輝いて見えるソレを、まるで言うことを聞かない子どものように求めて。

「その先には何があるの?」と、墜ちていきながらも。

夢と希望で、自分への失望を覆い隠した。

 

嗚呼、燃えていく。

燃えて、墜ちていく。

自身の『夢』を、『憧れ』を、燃料に。

総て焚べては自身を焼き焦がして。

…ソレを、視た誰かは何と言うだろう?

『気が狂ってる』?

それとも、『もうやめて』?

 

激情を焚べる。

そうしなければ、前に進め(推進し)ないから。

激情を焚べる。

そうでもしないと、自分で自分を許せなくなってしまうから。

激情を焚べる。

そうすることでしか、自分は生きられないから。

だから、今日。

燃え尽きるまで、前に進む。

()()()だと、知っていても。

 

 

…その"激情"と呼ぶしかない感情の発露が好きだった。

落ち着いて、己を律せる自分とは正反対の存在だとしても。

ただひたすらに真っ直ぐ進むその姿に憧れていた。

だからこそ、自分もそうなりたいと願った。

けれど、自分は自分のままでしかなくて。

結局、自分の限界を知るだけだった。

そんな自分に嫌気を感じながら、それでも諦められなくて。

なのに、

 

「…やぁ、」

 

あの場所から、帰ってきたあなたは見る影もなく。

すっかり穏やかになって、それまでは遠ざけていた仲間たちとも快く談笑を行うように。

…違う。

それはきっと、本心じゃない。

何かを隠しているんだろうと思ったら、胸の奥底にあるモヤモヤとした気持ち悪さが増していって。

 

「…………」

 

無言のまま、その後を追いかける。

そして、人気のない廊下まで来てようやく追いついて……。

 

「どうかした?」

 

ふにゃっ、と。

かつてなら、しないはずの表情を見て。

 

(嗚呼、)

 

「……?」





───ほら今も、"███()"は煌々と輝いている。

"███()":
キラキラ光るお星様。
道しるべでありながら、煌々と燃える星。
誰もが焦がれてやまない星。
…たぶんひとつだけじゃない。
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