まってる?
"うるさい"は煩わしい。
いちおうは話す人も多いし、慕われている(っぽい)僕だが本来のところはひとりが好きなタイプなのでちょっと気疲れする時もまぁあるのだ。
「ふぅ……」
僕は小さく息を吐くと、自分の机に突っ伏した。
そして、そのまま目を閉じて意識を沈めるのだった──。
*
「ねぇ」
どれくらい時間が経っただろう?
不意に声をかけられて目を開けると、そこにはクラスメイトのひとりがいた。
彼女もG1を勝っているウマ娘ではあるのだが同じくクラスメイトのミスターシービーやカツラギエースなどと比べると…何だか表舞台にはあまり出てきてはいないような…?
その話を話しかけられたついでに告げれば「…まだその時じゃないからな」なんて。
……何か深い事情でもあるんだろうか?
それはともかくとして、そんな彼女は僕の前の席に座った。
「こういう時しか、アンタとは話せないからさ」
「そうかな?」
「そうだよ」
まぁ、たしかに。
言われてみれば彼女とはあまり話をしたことがなかったように思う。
「…まだ確固たる姿はもらえてないからね〜」
「何の話?」
「キミが知る必要はない話だ」
…あれ?
いま、僕は誰と話してるんだろう。
瞬きするごとにクルクルと、目の前に座る彼女の姿が変わっている気がする。
声も、喋り方も、座り方も…。
まるで何人もいるみたいで、よく分からない感覚に陥る。
「……あー、そっか。お前らしい」
「えっと、何のこと?」
「いや、なんでもないよ」
彼女が何を言っているのかはよく分からなかったけれど、とりあえず深く聞く必要もないだろうと。
…聞いちゃ、ダメな気がして。
「じゃあね」
───また、今度。
*
「お前らなぁ、」
ぼそり、と。
走り去っていく小柄な背を後目に教室に入ったカツラギエースが言葉を漏らす。
そこには先程までと同じようにある椅子に座るウマ娘の姿が。
…けれど照りつける夕焼けによって逆光となっているせいか、その姿形は黒いシルエットになっていて。
「アイツと話したいのは分かるが入れ代わり立ち代わり過ぎだ」
はぁ…とため息をつくカツラギエースにシルエットのウマ娘は抗議する。
「そりゃああたしだって"かつて"は"そっち側"だったから気持ちは分かるさ。けどな」
そこまで言うと、カツラギエースはぐいっとその顔を寄せて。
「"今のアイツ"は
懇願するように頭を下げる彼女に、影は何も言わずただ黙っている。
「…………」
が、こくりと確かに頷いて。
「あたしも、待ってるからさ」
僕:
シルバーバレット(プリティーなウマ娘のすがた)。
幸福に生きて、幸福に過ごしている。
多大な不幸もなく、怪我なんてこともせず。
…あれ?そういえばこの火傷跡っていつに……?
再起動しますか?
>>はい
いいえ
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