さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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そういやこのふたりは同じ父系でしたね。
Never Say Die…。



おだやかに、しあわせに

先輩と暮らし始めたのは、縁があったからとしか言いようがない。

聞くに、父方の遠縁の親戚だとかで、それに先輩が『責任もってバレットの面倒見ます!』と言ったことからあれよあれよという間に…。

 

「おはようございます、先輩」

「うん、おはよぉバレット」

「コーヒー出来てますよ」

「ありがと」

 

先輩の綺麗な栗毛が、寝癖でところどころ跳ねている。

今日は休日なので、二人揃っていつもより遅くまで眠っていたのだ。

 

「ふぁあ…………んっ、バレットはよく眠れた?」

「はい、ぐっすりです」

「そっか、よかった。じゃあ朝ごはん食べよか」

「そうですね」

 

昼兼用のため、少し重めな朝食をとる。

普段から少食の僕とは違い、先輩はごく一般のウマ並には食べるので、量は結構多い。

 

「ごちそうさまでした~!」

「はい、どういたしまして」

 

食器を片付けて一息つく。

ソファに座ってテレビをつけると、ちょうどレースの中継をやっていた。

 

(そわ…)

「…走りに行くか?」

「い、いえ…」

「でも買い物には行かなアカンやろ」

「そ、うでした、ね…?」

「おん。ほら、行こ」

 

穏やかな町を歩く。

先輩はやさしい。

昔も、今もずっと。

だからつい甘えてしまう。

 

「ねぇバレット」

「はい」

「ボクのこと好き?」

「もちろんですよ」

「ほんまか?うれしいなぁ♪」

 

無邪気ながら、美しく笑う先輩を見ると、胸が変な挙動になる。

「ボク家事とかてんでやからさぁ。やからバレットと暮らせて万々歳やわぁ」と屈託なく言う姿に、「そんなことないと思いますけど」なんて言えなかった。

だって実際、僕はこの人の世話になっているわけだし。

 

「あっ!これかわいいやん!!」

 

行き先の途中にある雑貨屋で、どうやら先輩の目に止まる逸品があったようで。

 

「…え?」

「似合うで〜バレット!」

「え、あ、はぁ……」

「先輩が買うたろうな〜。じゃっ、レジ行ってくるわ〜!」

 

チャッ、と髪飾りをそれとなく宛てがわれたあと、止める暇もなく流星のように。

 

「ただいま〜」

「おかえりなさい」

「はいコレ」

「ありがとうございます」

「どーせなら着けてみぃへん?」

「いいんですかね?」

「ボクが着けたるわ。ほら外出た出た」

「ハイハイ」

 

言われるまま、店を出て、ちょっと伸びていた前髪をとめられる。

「似合っとるで〜」なんて言いながら、頭をぐしゃぐしゃに撫で掻き混ぜてくるから「ボサボサになったら意味無いでしょう」と言うのも忘れずに。

 

「ありがとう、ございます」

「ええって、ええって!」

「…はい」





僕:
シルバーバレット。
栗毛で流星がきれいな先輩と暮らしている。
どうやら歳が離れているものの、学生時代からよくしてもらっていたようだ。
でも卒業した後に、父方の遠縁として先輩と再会するとは思っていなかったので初めは「!?」となって思考停止していたとか。

先輩:
人呼んで【流星の貴公子】。
それ以上でも、それ以外でもないが、ひょんなことから同居し始めたかつての後輩である僕のことをとても可愛がっている。
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