ドリームトロフィーリーグへ参加した時の話はあんまりないです、フレーバー程度なので…すみません。
引退、したわけなのだが…。
「こんなにデカい場所で観客集まる…?」
「集まりますよ」
日本に帰り、ちょうどいい時を見計らって引退式となったのだが貸切って、ねぇ…?
不安の言葉をもらす僕に隣にいたトレセン学園生徒会長・シンボリルドルフが言葉を返す。
僕はルドルフとはそこまで話したことがない。
彼女が全盛期だった頃の僕は裏街道を歩んでいたようなものだったのだし。
僕よりもシービーなどの方が関わりがあるんじゃないか…。
「なんで、今日キミはここに来たの?」
「はい?」
「僕と、そこまで関わりなかったでしょう?」
きょとりとシンボリルドルフが視線を向ける。
そしてフッと笑みを見せた。
「それは、」
「それは?」
「独り占めしたかったからです。私が貴女を」
「え」
「ずっと、貴女と戦えなかったことを悔いていたんです。
運命を呪ってすらいた。だから今日ぐらいは、と。」
「えっと、あの、ルドルフさん…?」
じぃと彼女が見つめてくるのにたじろいでいると「シルバー!」と僕にとっては聞き慣れた声。
「ミスター!」
「…シービーか。いいところだったのに」
「抜け駆けはずるいんじゃない?」
「2人とも、どうかした?」
「いんや、何も?」
「いいえ、何も?」
「…そう?」
聞こえなかった2人の会話を不思議に思ったのも束の間、先生が僕を呼びに来る。
先生も僕と一緒に式に出るので今日はスーツを着ている。
「たくさん、人が来てるぞ」
「ホントですか!?」
「僕が嘘をつくと思うかい?」
「いえ、…そうですか」
ステージに赴くと大きな歓声が聞こえた。
先生に思わず引っ着けば苦笑され、僕も思わず笑ってしまった。
*
「シルバー」
「ミスター」
引退式のことを思い出しているとミスターに声をかけられる。
靴のメンテナンスをしつつ話すことにした。
「なに考えてたの?」
「引退式のこと」
「あぁ!」
あの引退式は非常に豪華だった。
どれだけ金銭がかかってるんだとおののくと共に僕のためにそうしてくれたことが嬉しかった。
「あの横断幕すごかったね、『敗北を知りたい』って」
「あれなぁ、負けなかったからよかったけどさ」
「…はは、負けるつもりはない?」
「もちろん」
今日はドリームトロフィーリーグ決勝戦の日だ。
本当はあのまま引退してレースから遠ざかろうとしてたのだけどドリームトロフィーリーグに所属しているウマ娘のみなさんから嘆願という名の挑戦状を頂いてしまったので…、
「僕がドリームトロフィーリーグに挑戦するって言った時の歓声、耳が壊れるかと思ったんだよね」
「それだけみんな、シルバーのことを待ってたんだよ」
「うん。だからさ、─────全力で来いよ演出家」
「そちらこそ蹂躙者サマ」
僕:トゥインクルシリーズから勇退→嘆願書(挑戦状ともいう)をいただいたためドリームトロフィーリーグへ移籍。
今までもこれからも自分が他人に執着されていることに気が付かない模様。
引退式ではファンから『敗北を知りたい』との横断幕を贈られる。
ドリームトロフィーリーグに移籍したあともその横断幕は掲げられ名物となっている。
皇帝&CB:対僕になると現役時代みたいにバチってくる方々。
僕の活躍を見る度に戦ってみたかったって思ってそう。
これもこれでそれなりに重い執着かもしれない。
普段はなりを潜めてるのにシームレスにライオン丸化する皇帝と抜け駆けはさせないとばかりにやってくるCB…。
僕が気づいてないだけで絶対火花散らしあってんな、コレ…。