さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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でも、全員自分のこと棚に上げてるんだよなぁ…。



"星"は輝いているか?

「アンタは、俺たちの"星"だろう?」

 

そう言って自分を押さえつけるウマの目は逆光もあってか、妙に輝いて見えて。

それに周りに各々立つウマ、その誰もが現状を止めようとせずに。

 

「…離してよ」

「嫌だ」

 

人が多いだけの密室は、もう何人たりとも逃がさないようで。

 

「強硬手段だな」

「絶対に離さない」

 

だって、この手だけは。

もう二度と、離したくないから。

もう、誰にも触れさせたくないから。

たとえそれが──自分たちの『運命』を決定づけた相手だとしても。

 

「……俺たちがっ! どれだけアンタに弄ばれたか分かってンのか!?」

「……ああ」

「ならどうして……ッ!」

 

アンタは、俺たちを見ない?

俺たちは、アンタにグチャグチャにされたのに。

俺たちは、アンタに──、

 

「俺たちを、見てくれよ……ッ!」

「見てるさ。キミたちのことを」

「……っ、ならなんで!」

「僕が"星"になんてならなくたって、キミたちは」

 

───ひとりで歩けるでしょう?

その、あまりにも身勝手な言葉に。

一瞬、頭が真っ白になった。

 

「は……」

「え?」

「ぁ」

 

言葉にならない怒りが、腹の底から湧き上がってくる。

それは周りのウマも同じだったようで。

 

『ふざけるなっ!』

 

誰かがそう叫んで、睨みつけたのが見えた。

ああそうだ、その通りだと、他の奴らもそれに同調して──でも誰も動けなくて。

そんな不可思議な空間の中で、責められているはずの張本人が一番事態を正視しており。

 

「どうして、アンタは」

「……」

「……なんで、俺たちを見ないんだ?」

「……」

 

ただ黙って、それを受け入れて。

そんなのまるで──自分が悪いとでも、思ってるみたいな。

ああそうだ、この人はいつだってそうだった。

いつも自分以外の誰かのために動いていて、自分のことなんて顧みなくて。

"星"なんてそんなものにされてまで、他人のことばかりで。

なんでそんなに他人ばかりを想えるんだ?

見返りなんて、求めない。

ただ、その"星"ってヤツが──アンタの『運命』だったとでも?

 

(……じゃあ)

 

俺たちは、なんだっていうんだ?

 

「アンタが俺たちの"星"なら──」

 

"何"だって言うんだよ。

……()()()は。

 

 

自分では自分がそうだと認識できないように。

"星"と看做されるウマから見たその子たちは、みな"星"であった。

それは、群れの中で自分が特異だと分からないイキモノの如く。

それは、群れの枠に収まらないイキモノの如く。

それは、群れを率いるリーダーたる存在と同等であると──その"星"は、みなから認識されていた。

 

故に、『(しるべ)』なのだ。

たとえ当人がそう思わなくとも、周りがそうだと認識しているのだから。

"星"には、自由がない。

だから誰も彼もが束縛する。

 

───もう二度と、離さぬように。





銀系列は全員、自分以外のみんなを"星"だと思っているフシがある。
銀弾以後はみんな銀弾が"星"だと思っているし、銀弾自身も「みんな綺麗だなぁ」と思っている。
まぁそもそも銀弾自体、チーム:アルデバラン旧メンバーに情緒めちゃくちゃにされてるので…。
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