アニメ1期時代の話。
【
彼女は俺こと【
「…先輩」
「おう、メシか」
【
見るからに意志の強そうな目は大概分厚い髪の下に隠れており、声を荒らげることもない。
「…、」
「もっと食え」
「(フルフル)」
普通、ある程度は仲良くなるはずのクラスメイトとも疎遠気味で、いつも先輩である俺にくっついている。
余っ程のことがなければ話さない。
影だって薄い。
……いや、影が薄いのは俺がいつもコイツにくっついているからかもしれない。
「先輩」
「なんだ」
「…もう食べられません……」
「そうか」
【
身長は俺より少し小さい程度だが、その手足は今にも折れそうなほど細い。
そんなんだからよく飯を残すし、よく食べるヤツを見ると「見ただけで満腹だ」と食わなくなるので食堂から遠ざけるように食事の場を中庭に変えたのは記憶に新しい。
「先輩」
「なんだ」
「先輩はどうしていつも俺に構ってくれるんですか?」
【
俺はそのたびにこう答えるのだ。
「決まってるだろ?お前が可愛い後輩だからだ」
「……そうですか、ありがとうございます」
彼女は少し微笑んでから立ち上がる。
もう行くのか、と聞けばはいと答えるので俺も一緒に立ち上がれば彼女はまた俺にくっついてくる。
「ンな顔しなくても守ってやるって」
「…はい」
───────
─────
───
「…おけーり」
「…ただいま、です」
久しぶりに帰ってきたソイツは、酷い顔をしていた。
その脚が現役復帰するには"
「先輩…?」
「おう」
「え、と」
「来い」
「わ…っ!」
「泣け」
「ぇ、」
「泣けっつってる」
「、」
酷い顔をしていた。
…そりゃあそうだ、コイツはあの【怪鳥】も、ましてや1着になった
何度思い出したって誰もの脳裏に浮かぶのはコイツの決死の走りでしかなくて。
でも、
「泣けよ。…俺以外誰も見ちゃいねぇ」
「…ぁ、」
指が、控えめに俺の胸元にかかる。
きゅう、と微かに掴まれた布に、ぎゅうと強く胸元に、押さえつけるように抱き込めば、引き攣った過呼吸のような、ヘッタクソな泣き声が。
「…ぁ゛、……っぐ、…ひゅ、…ぁ、……ひゅぅ、っ、ひ、…っぅ」
「泣けよ。……泣いていい」
結果、【
そんな不器用な彼女を、【金色旅程】は守ってやらねばならなかった。
「……先輩」
「おう」
「……ありがとうございます」
「気にすんなって」
自分自身で気付くことの出来ぬ傷を突きつけて、洗い流してやらねばいつか、コイツは積み重なった
「先輩」
「なんだ」
「……俺は、もう走れません。……俺は、」
【
その頭をぐしゃぐしゃと撫でてやって、その身体を抱き上げる。
「わっ!?」
「なぁにが走れないだ。お前まだ走れるだろうがよ」
「え……?」
「
「…!」
「テメェの成績ならなんざ問題はねェ。だから…辞めるとか言うな」
「…はい」
【金色旅程】は【
(…コイツは、俺のモンだ)
【
アニメ1期にいたモブウマ娘。
モブと言ったらモブ。
【金色旅程】登場シーンにそれとなく応援観客としていたり、黄金世代がクラスでワチャワチャしているシーンにチラッといたり。
そして凱旋門賞にてモブとは思えぬ主役喰いをカマし、フェードアウト。
しかし、モブの癖に【怪鳥】や
【金色旅程】:
後輩である【
大切に大切に過保護に守っている。
ネームドにコイツは渡さんの気持ち。
…コイツは俺が守るって、決めたんだ。