段々と洗練されていくんだね!
「なんでジジイはあんなラフで!俺たちはこんなカッチリなんだよ!!」
「…曲がりなりにも名家になっちゃったからね〜。とは言っても海外遠征用の勝負服なら僕もカッチリしたヤツなんだけど」
ギャン!と不満げに吠えたシルバアウトレイジにシルバーバレットはホケホケと笑って返す。
『勝負服』というものは着る人によって十人十色だが。
「○○軍団」とか、そういう括りで呼称されるぐらいの有名な一団になるとどことなく勝負服の感じが統一されてくる。
シルバアウトレイジとシルバーバレットの二人も、そういう括りで呼ばれている一団の一員だ。
そして、その勝負服はカッチリしているのが大多数で。
「ジジイはいいんだよ!ジジイなんだから!」
「僕まで巻き込まないでよ……」
そんなやり取りをしながら、どうどうと若人を落ち着かせようとするも今日のところはどうやら腹の虫が収まらんらしく。
「俺めちゃくちゃ頭悩ませてデザインしたのによォ、『これじゃダメだ』って変えられたんだぜ?果てにはこんな悪役みてェな」
「ひどい言われよう」
「そら大部分が黒で差し色が黄色で申し訳程度の白ってもうバリバリの警戒色じゃねぇか」
「でもかっこいいじゃん」
「そういう問題じゃ…。はァ…」
「そこはほら、目立ってナンボだし」
シルバーバレットは笑いながら言う。
そういうもんだと割り切るしかないと、シルバーバレットは思っているし。
かく言うシルバアウトレイジも何だかんだ言いながらそう納得している。
しかしそれでも気に入らないものはあるのでこうして不満を垂れ流しているわけだけれども。
「キュッとした服苦手だもんねぇ」
「そーだよ」
制服のシャツでも息苦しいと緩めるウマなのだからあの勝負服はまぁキツかろう…と脳裏に思い浮かべながらも余っ程のことがない限り勝負服の変更はできないため「ムムム…」と唸るしかなく。
流石のシルバーバレットも権力乱用とはいかないのだ。
「…まぁ、」
「うん?」
「そんなこと言ったら海外遠征用の勝負服、着物にされそうだけどね」
「あ゛?」
「だって絶対フォーちゃんが張り切るもの。んでほら、僕が何か大きいイベントとか祝い事の時に着るあの全部真っ白な、お抱えさんトコ謹製の…」
「やめろやめろやめろ!!」
「でしょ?」
シルバーバレットはクスクスと笑いながら、シルバアウトレイジもようやく気が済んだのか。
「……あー……なんかスッキリした」と言って立ち上がった。
「んじゃまぁ、帰るわ」
「うん、行ってらっしゃい」
ひらひらと手を振りながら出て行くシルバアウトレイジの背中を見送ってから、シルバーバレットはポツリと呟いた。
「……あ、すっげぇ連絡来てるや。もう、どこ行くか言ってから来なよ…」
僕:
シルバーバレット。
国内用の勝負服はシンプルでTheアスリートって感じだけど海外用遠征はカッチリしてるウマ。
でも海外遠征用の勝負服は小物もそれ用に誂られているのもあって、傍目から見るとマフィアかな?って感じらしい。
そもそも現役時はまだピリついてたしね。
【銀色の激情】:
シルバアウトレイジ。
カッチリした服が苦手な若人。
制服のシャツからして「なんか息苦しい」と緩めているタイプ。
しかし「そんなこと言ったら着物になるぜ?」と言われ「それはヤダ!」した。
だってあの着物、全部真っ白…。ぜってぇ汚す…。