さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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そしてチビも泣く。



痴話喧嘩は犬も食わぬ

「おじいちゃあん」

「ン〜?どうしたノ?」

「お母さんたちがまた家庭内別居したぁ」

「またか!」

 

ポテポテと自分にそう告げに来た孫にホワイトバックはその小さな体を抱き上げながらヤレヤレと息をつく。

思考の中心にいるのはもちろん現在家庭内別居をしている(らしい)娘夫婦のこと。

大概はすこぶる仲のいい夫婦であるのだが、たまーにこうして喧嘩をするのだ。

まあそれもいつものことであるからして、今更心配するようなことでもないが……しかし今回は少々深刻かもしれない。

というのもつい先日、娘の夫-ホワイトバックにとっては義息子にあたる、がちょっとした傷をこさえて帰ってきた。

傷の程度としては擦り傷に少々血が滲んでいるぐらいのものだったが、その下手人が下手人であったが故に夫婦は衝突して…。

 

(まぁ、あの娘はとっっても魅力的だけどネ?)

 

いわく、義息子を襲った下手人は娘に過去恋慕していたといい。

まぁここいらではそこそこの家柄の生まれだったのもあり、自分が娘の伴侶となるのだと吹聴して回っていたとか。

しかし、娘が選んだのは外から来た義息子であり、そもそも下手人含め回りなど眼中になかったのだと。

…というところで潔く諦めてくれればよかったのだが。

 

「でも、お母さんがおこるのもわかるし…お父さんがよかったっていうのもわかる…」

「そう」

 

歳以上に聡い孫のしょんぼりした顔に頬擦りしながら「でも長引くンだろうなぁ」と。

最愛の夫を傷つけられてブチギレている娘と、妻に何も被害がなくてよかったと胸を撫で下ろしている義息子と。

揃いも揃って自分が傷つくのはいいが相手が傷つくのは許さん!タイプなのはもうずっと前から知っていることである。

 

(とりあえず、なんかチビにご飯食べさせてやろ)

 

 

「きょうはおじいちゃんといっしょにねる」

「そっか」

「ひとり、さびし…くすん」

 

ぽろぽろと泣き出してしまった子どもを抱きしめると、すぐにくぅくぅと寝出した。

いつも父母のどちらかにくっついている子だから。

 

「いい子いい子」

 

でも…。

 

「そろそろ、ネェ?」

「「…」」

 

娘、義息子を正座させて、自分の服を引っ掴んで離さない子どもを起こさないように静かに叱り始める。

 

 

「んぅ、」

 

眠い目をこすこすして起きた子どもの目にまず入ったのは数日ぶりに揃って食卓にいる父母の姿です。

 

「おとーさん、おかーさん…?」

 

おはよう、と微笑む母の腕の中に飛び込んでいきます。

 

「ごめんな、寂しかったな。今日からは一緒に居られるから」

「ほんとう!?やったぁ!」

 

ぴょんぴょん跳ねる我が子に傍で見ていた父も微笑みます。

 

「そら、ご飯だから座りな」

「はぁい」





僕:
シルバーバレット(ちびっ子のすがた)。
歳以上に聡い子ども。
大体舌っ足らずで話すが父、母、家庭内別居だけはとても流暢に話す。
父母が仲良くしていると嬉しい。
案外家庭内ヒエラルキートップにいるかも?

祖父:
ホワイトバック。
孫溺愛系じいちゃん。
基本は娘夫婦をやさしく見守っているが孫の涙にすこぶる弱いため、ふにゃふにゃ泣きだしたらちょっと怒る。
娘夫婦が仲良くしているのが好き。
しかし基本的に家庭内ヒエラルキーは下の方に位置している。
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