さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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ひかえめなんだ。



寂しがり屋で甘えベタ

ソイツが、案外寂しがり屋だと知ったのは友人以上マブダチ未満の時期だった。

 

「…バレット?」

 

唇を真一文字に結んで、控えめに袖を引いてくる様があまりにもいつもの騒がしい姿とは違って見えて。

困惑する俺を他所に、勝手にハッとしたかと思えば「何でもない」なんて。

……いや、何でもないって顔じゃないだろお前。

そう思った俺は、思わずソイツの手を取って歩き出したんだっけな。

あの時のアイツの顔ったらなかったぜ?

あんまりにも間抜け面してるもんだから、つい笑っちまったよ。

 

聞けばソイツは弟妹がたくさんいる長子ってヤツで。

ワガママもなく、一心に弟妹たちを愛する姿はそれはそれはよくできた…っていうか、よくできた分、甘え下手だったらしい。

だから余計にそういうことされると構いたくなるんだよなって言ったら、「わーん!うるさい!」って叫ばれたっけなぁ……。

 

「そんなにからかってくるなら今日のご飯お茶漬けだからね!!」

「それでも(もと)じゃなくて、ちゃんと作ってくれるんだろ」

「ぅ、」

 

からかいすぎると拗ねるくせに、ちょっとしおらしくするとすぐに元に戻るところなんか特に小動物っぽい。

まあ、それを言うとまた怒られるだろうから言わねぇけどさ。

 

 

…まさか歳下に甘えさせられるとは思わなかった。

いま、僕はマブであるサンデーの膝に乗せられて頭を撫でられている。

それもこれも全部『運命』ってヤツが悪いのだ。

今日は朝からツイていなかった。

まず起きた瞬間にベッドの下に今日の分として置いてあった靴下を思いっきり踏んで転けた。

おかげで朝っぱらから肘とお尻を強打して蹲ることになったし、復帰したら復帰したで角に小指をぶつけるし。

しかもそのあと、今度はいつもしないのにパキッと卵を握りつぶしてしまう始末。

……なんという不運の連続だろうか。

 

「大丈夫か?」

「うぅ……」

 

しょんぼり、と落ち込んで、しくしく、と泣きはしないけれど気分的には泣いてしまいたいくらいには凹んでいた僕を見かねたんだと思う。

心配した様子で家に招き入れてくれた友人に、ぽつり、ぽつりと愚痴交じりに零せば黙って聞いてくれた。

そして最後にこう言われたのだ。

 

「よし、それじゃあ今からどっか行こうぜ」

「へ、」

「俺が運転すっから」

「いや待って待って待って!?サンデーの運転って…」

「でぇじょうぶでぇじょうぶ、事故りはしねぇから事故りは」

「事故りはしなくてもさぁ!?」

「おら、行くぞ」

「…はぁい。わっかりましたぁ」





ふたりはマブダチ:
銀弾&SS。
毎日楽しくやっているし、落ち込んでたら慰める。
また運転技術に関しては、銀弾が安全運転は安全運転だけど飛ばし屋なタイプで、SSが事故りはしないが煽られたら熱くなるタイプな感じ。
銀弾の運転は酔わないけど速度が速すぎて怖い。
で、SSの運転はマジでギリギリ攻めたどこぞのスタントみたいだから怖いんだとか。
…どっちの方がマシなんだろ。
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