大きな家で三人暮らし(まぁすぐ増えるんですけど)。
みっともなく縋って、俺が唯一『愛』を乞うた女は、そんな俺の姿を見て「耐えきれない」とでも言うかのように吹き出して笑った。
「あーっはっは! はぁ……まったくもう……」
呆れたようにそう言って笑う彼女を見て──俺はようやく気付いたのだ。
ああ、そうか。そういうことだったのか、と。
彼女は、俺を毛嫌いしているわけではなかったんだな、と。
ただ単に…一心に、真っ直ぐに『愛』を囁かれるのが恥ずかしくて、それであんな態度だったのだと、熟れた果実みたく赤く染まった頬を見て思った。
「結婚、してくれないか」
「…初めっからそのつもりだよ」
*
『愛される』と、ヒトは美しくなるのだと気がついたのはいつだったか。
「……」
ぽ〜っと、義父と共に、つけているテレビなんてものともせず見つめる背中は美しい。
料理中だからとまとめあげられた髪は毎晩見ているこちらが「大変だなぁ」と思うぐらいの時間がかけられている分、美しい。
「なンだぁ、私のケツばっか見て」
「いや……綺麗になったと思って」
「そりゃお前さんのおかげだろうが」
「え?」
「そら、そろそろメシ出来っから片付けしてくれや」
ふふん♪と鼻歌を歌いながら戸棚から食器を取り出す様子は見ずとも機嫌がいいと分かる。
「おいで」とジェスチャーされて、隣に立つと「ほい」と今日のおかずを口に放り込まれるのに、
「あづっ!?」
「ハハハ」
*
はじめは心配に思ったけどなァ。
そう考えながらホワイトバックは茶を啜る。
入婿となったあの子は、愛娘がある日突然連れて帰ってきた子だった。
聞くに一目惚れで告白されて、それに愛娘の方も感化されてしまったものだから。
入婿の方は「友だちから始めましょう」でよかったのに…。
「私コイツと結婚する!」と一気呵成に初対面の日に同棲に持ち込んだ手腕は流石我が娘と言うべきか。
まあ、それはさておき。
そんなこんなで始まった結婚生活だったが、めちゃくちゃ上手くいった。
ここら辺はだいたいが自給自足のド田舎なのではじめは大丈夫かと思ったが、元より幼いころから畑仕事をしていたという入婿はホワイトバックによって案内された敷地内の半分以上が使われていなかった畑を見て、まるで子どものように目を輝かせていた。
そしてそれからというもの毎日朝早くから起き出してせっせと畑仕事を始め、一段落つくと若夫婦ふたり連れ添って散歩に出たり買い出しに出たりするようになり…。
「そう大きな喧嘩もないからねェ…。よきかなよきかな」
家族:
ホワイトバック&ホワイトリリィ&ヒカルイマイ。
なおヒエラルキートップはもちろんホワイトリリィな模様。
結構な田舎に所在しているお家。
築何年かは不明だが家の敷地内に畑がある程度にはデカい。
また家の近くに山があったり小川があったりと、まぁ自然豊か。
でもその分虫も多いので…慣れていただくしか…。