さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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いつかのあの子。



はじめましてと笑う

シロガネカイコウというウマ娘がいる。

かの"銀弾"に育てられたという彼女は未だ『本格化』を迎えていないのにも関わらず…大きな注目を受けていた。

 

『アレでまだ本格化してないのか…?』

『…らしいぞ』

 

ヒソヒソと囁かれる声もいざ知らず、当の本人である彼女はご機嫌よく闊歩する。

ユラユラと揺れる尻尾に歌われる鼻歌…。

しかしその体格は遠に『本格化』を迎えている高等部のウマでさえも思わず「ヒッ!」と声を上げ、端に寄るほど雄大で。

 

「カイコウさん!ちょっと待ってください!」

「ん?なんだ、黒坊か。どうした?」

「どうしたじゃないですよ!今日こそは教室に…!」

「いや、……はぁ」

「むぎゅ!?」

 

そんなシロガネカイコウを呼び止める声。

その声に振り返るとそこには随分と探し回っていたらしい彼女のクラスメイト-キタサンブラックが。

今日こそはシロガネカイコウに授業を受けさせようと意気込んできたはいいが、

 

「そらよ黒坊。フカフカでいいだろ〜?」

「むぐむむ…!」

 

身長がなんと2m近くあるシロガネカイコウは、その恵まれた体格に伴った胸部装甲()を持っていて。

シロガネカイコウの胸元に抱き寄せられたキタサンブラックは、その豊かな双丘に顔を埋めながらジタバタともがく。

 

「ん〜?黒坊はおっぱいが大好きなんだな〜?」

「むぐー!(違いますー!)」

「ほれほれ、もっと堪能しろ〜」

 

そんな様子に思わず笑みを漏らしつつ、シロガネカイコウは豊満な胸で暴れるキタサンブラックを優しく抱きしめる。で、

 

「…これでよし!」

 

結果、くるくると目を回したキタサンブラックを優しく安置するとシロガネカイコウはトレーニングへと向かった。

 

本日の勝者…シロガネカイコウ。

 

 

幼い頃より、かの"銀弾"に育てられたシロガネカイコウは走ることと並行して様々な知識も授けられていた。

なにせかの"銀弾"である。

その持ち得た金銭的な財産もさることながら、その所蔵量も多岐に渡る。

特に古今東西の書物が集められた私設図書館はシロガネカイコウのお気に入りで。

 

「今日はこれと……それからこれも」

 

その私設図書館には様々な本が収められている。

歴史書、文学書、図鑑や事典に至るまで幅広く取り揃えられており、今日も今日とて彼女は本を読むために訪れたのだが。

 

「む……」

 

そんなシロガネカイコウの前に一人のウマが立ち塞がる。

 

「カイコウ」

「ちっ、」

 

ひどく静かに、そう告げたウマの名はシロガネハイセイコ。

かの"銀弾"の長子であり、いま現在はその"銀弾"のサポートを受けながら当主業をしている者だが。

 

「また何でこんなところで……」

「学園からこちらへ連絡が来たからです」

「だる…」

「……それはこちらのセリフです」

 

シロガネカイコウの返答にシロガネハイセイコは頭を抱える。

しかしそんな様子にも全く動じず、彼女はいつものように本を読み始めた。

そんな様子をしばらく眺めていたハイセイコだったがやがて諦めたようにため息をつくと踵を返す。が、

 

「お祖母様に言いつけますからね」

「はァ!?いや、リリィさんはいま関係…!」

「貴女にはお祖母様からキツく言われるのがよく効くようなので」





【邂逅】:
シロガネカイコウ。
クソデカウマ娘。
また自分の肉体に恥じるものは何一つない!と公言するタイプの子でもある。
だが、幼き日よりかの"銀弾"に育てられたためか、文武共に優秀ではあるが、優秀であるが故にサボり気味(とはいえトレーナーと出会えばそれも改善される)。
ちなキタサンブラックやドゥラメンテと同世代で、キタサンブラックのことを『黒坊』と呼んではよくからかっているらしい。
しかしドゥラメンテ相手にはちょっとタジタジだとか。
たぶん国内では善戦ウーマンだけど、国外に出るとクソ強系のウッマ。
さすが銀弾の血…かな?
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