さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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何かダメ人間好きそうだよね、銀弾って…。



世話焼きさんの話

意外と、アグネスタキオンとシルバーバレットの仲はいい。

元よりあまり苦言を呈さず、逆に肯定気味であるシルバーバレットは何やかんやとやらかしたり、やらかさなかったりするアグネスタキオンのことを「凄いなぁ」とキラキラした目で見ており(それにはシルバーバレット自身がどちらかというと科学・化学系が苦手なのもあるだろうが)。

または後輩から頼みの綱にされるのを喜ぶ人ではあるのだけれど、どことなく遠巻きにされてしまうから、アグネスタキオンのように「やぁやぁ」と気兼ねなく声をかけてくれるのが嬉しいのかもしれない。

 

「おや、タキオンさん…と先輩」

「やぁ、カフェじゃないか。君も今から昼食かい?」

「……ええ。今日は天候が少し…ですからここで食べようかと…」

 

と、そこにマンハッタンカフェがやってくる。

アグネスタキオンとは逆に、彼女の方はシルバーバレットを遠巻きにしているタイプだ。

それはマンハッタンカフェの性格もあるだろうし、話しかける前にアグネスタキオンの方が積極的に話しかけ(マシンガントークし)ているというのもあるだろう。

 

「タキオンくんは元からだけど…カフェくんもどうかな?僕のトレーナーさん基準でお弁当作っちゃったもんでね」

「え」

「どうせカフェが持ってるのは購買のパンだろ〜?せっかくだから先輩のご好意に預かりまたえよ!」

「いや、あの」

「遠慮することはないさ!ほらほら!」

「いえ、その……」

 

と、マンハッタンカフェは困ったようにシルバーバレットを見る。

その視線を受けて、シルバーバレットは。

 

「……まぁ、前に倒れてたタキオンくんに作ってあげたら好評でねぇ。もし、よければだけど」

 

と言った。

その言葉にマンハッタンカフェは少し考え……やがて諦めたようにため息をつくと、アグネスタキオンと同じように席についた。

 

「ありがとうございます……ではお言葉に甘えて」

「うんうん!さぁさぁ食べようじゃないか!」

「タキオンさんが作ったんじゃないでしょう…」

「それはそれ、これはこれ、さ!」

「めしあがれ」

「「いただきます」」

 

 

気づけば、シルバーバレットはアグネスタキオンとマンハッタンカフェが共有している教室の合鍵を持っていた。

はじめはひょんなことから知り合ったアグネスタキオンがシルバーバレット好みの生活能力が壊滅的な人間であったので、自分が面倒を見なければ……とお節介を焼いたのがきっかけだ。

それが何度か続いたあとは何となくで、合鍵を持っている。

アグネスタキオンもマンハッタンカフェも「まぁいいか」という感じで特に何も言ってこないし、シルバーバレットの方もそれでよかった。

ただ、一つだけ困ったことがあるとすれば──。

 

「ここにシルバーバレットはいるかい?」

「いや、見てないねぇ」

「そうか…。失礼したね」

 

たびたび…という頻度ではあるが、生徒会長であるシンボリルドルフがシルバーバレットを探しにやってくることだ。

 

「またですか」

「ああ…。相変わらずだねぇ」

「…足音も遠ざかりましたし、……先輩、もう大丈夫ですよ」

「ありがとう…」

 





僕:
シルバーバレット。
世話焼きな先輩。
何故かナチュラルに共有スペースの合鍵を所持している、二つ返事で実験の被験者になる稀有な存在。
また僕が共有スペースにいるとどうにも『おともだち』の機嫌もよくなるらしく、そして肩が何となく重くなるらしい(もしかして:憑かれてる)。
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